安近楽志向が後押し? プチバン人気の背景は
6月の軽自動車販売ランキング1位になったホンダのN BOXのように、ミニバンの要素を持つコンパクトカー“プチバン”が人気を集めている。プチバンを好む人たちにはどのような特徴があるのだろうか。イード調べ。
ミニバンの要素を持つコンパクトカー“プチバン”が人気を集めている。6月の軽自動車販売ランキングを見ると、1位のホンダ「N BOX」や、ダイハツ「タント」などのプチバンが上位に並ぶ。プチバンを好む人たちにはどのような特徴があるのだろうか。
イードの調査によると、プチバンが欲しいという消費者に「クルマを購入する際、レジャーで使うクルマと普段使うクルマのどちらの使い方を重視しますか?」と尋ねたところ、「普段使い(やや普段使い含む)」が61.2%と「レジャー使い(ややレジャー使い)」の11.9%を大きく上回った。
レジャーを意識している人は少数派のようだが、「この夏休みの遊びに行く予定」を聞くと、「国内旅行:クルマで行く」が39.7%でトップ。以下、「近場に遊びに行く」が26.6%、「特に遊びに行く予定はない」が20.6%で続いた。
ここ2〜3年の連続休暇の過ごし方の変化についても聞くと、「海外旅行」「電車で行く国内旅行」は減ったという人が多かったが、「クルマで国内旅行」「近場に遊びに行く」が増えたと答えた人は、特に子どもがいる家庭に多かった。“安近楽”の志向が強くなっている人たちと言えそうだ。
「この夏欲しいプチバン」を尋ねると、トップはホンダ「N BOX」。以下、ダイハツ「タント」、スズキ「パレット」、ホンダ「フリードスパイク」が続いた。
マーケティングライターで世代・トレンド評論家の牛窪恵氏は、「今、若い世代や家族を中心に、ハレとケのメリハリ消費やコストパフォーマンスに注目する男女が増えている。プチバンはミニバンと同じような広い室内で快適性も高いため、レジャーにも使用できる一方、車体がコンパクトで運転しやすい上に、燃費も良いので買い物などの普段の生活の中でも使いやすく、ハレとケの双方の欲求を満たせるクルマとして、人気が高まってきているのではないでしょうか」とコメントしている。
インターネットによる調査で、対象は「この夏欲しいクルマ/気になるクルマ」にプチバンを選んだ20〜60代の男女1000人。調査期間は7月2日から7日。
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