コラム
ルールの厳格化と業務の定型化が、組織の閉塞感を生み出す(2/2 ページ)
「組織の活性度が低下した」「人が育ってこない」という結果は、ここ十数年、多くの企業で進められた規制・管理強化に関する諸施策の副作用・反作用である。
いっそう拍車がかかっているルールの厳格化と業務の定型化
ところが、実際には、ルールの厳格化と業務の定型化はいっそう拍車がかかっているように見える。ルールで想定していないケースが起こればルールを作り、抵触するようなことが起こればいっそう運用を厳格にしようとする。クレームが起こるたびに、ミスが発生するたびに、マニュアルはどんどん分厚くなっていく。
結果、萎縮や閉塞感を生じさせているのに、そして、薄々はそれが問題だと感じているのに止められない。企業におけるルールの厳格化と業務の定型化は、まるで、やり始めたら止められない公共工事のように見える。冷静な総括と真摯な反省を行い、その上で、例えば自由と寛容といったパラダイムから、新たな組織運営にかじを切ること以外に、組織の活性化も人の成長も期待できないだろう。(川口雅裕)
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