また尖閣諸島にやって来る? 10月に人民解放軍:窪田順生の時事日想(3/3 ページ)
日本の「国境」が騒がしくなってきた。尖閣諸島と竹島で騒動が起きるたびに、日本のメディアは「冷静に」と呼びかけるが、そろそろ強く訴える時期に来ているのではないだろうか。「おかしいじゃないか」と。
怒る時は怒るという時期
中国からすると、石原都知事の「陰謀」を未然に防ぐためには、以前、記事にもしたように尖閣諸島に上陸して「かつお節工場」などの「歴史的事実」を葬り去ったうえで不法占拠するのがベストだ(関連記事)。東京都と国がごたごたしている隙を狙うなら、10月あたりがちょうどいい。
考え過ぎだろと思うかもしれないが、過去にそんな調子でサクッと占領された島がある。
ある日、突然軍隊がやってきて島を占拠。一方的に「軍事境界線」を決められて、それを超えてきた者は民間人だろうが拿捕して、逃走すると銃撃された。これまで日本の漁船は328隻が拿捕されて、39人が傷を負い、船長など5人が殺されている。
ご存じ、竹島だ。
韓国が日本の漁民を狩りまくってから60年。石碑も建てたし、観光地にもした。中国からすれば、ああやれば日本から領土を奪えるという“いい手本”である。
森本敏防衛相が大統領の上陸を「韓国の内政上の要請」と言ってしまったことからも、占有事実に日本が弱いことが浮き彫りになった。おまけに、大統領が上陸をしても日本のメディアは「冷静に」と国民に理解を促してくれる。だったら、共産党幹部が尖閣に上陸してもセーフだな、と彼らは判断する。
こういう理不尽に対して「冷静に」だけでは相手の思うツボだ。
ロンドンオリンピックでも、体操の内村航平選手やボクシングの清水聡選手が遭遇した理不尽な判定に対して、日本選手団は猛抗議をしたおかげで、彼らはメダルを獲得できた。
声を荒げて、おかしいじゃないかと国際社会に訴える――。バカのひとつ覚えみたいに「冷静に」だけを呼びかけてきた結果が、このザマだということを、そろそろ誰かが勇気をもって言うべきではないか。
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