コラム
相手にたくさんしゃべらせるための3つのテクニック(2/2 ページ)
営業であれ、面接であれ、話をはずませたり、十分なヒアリングをしたりするためには、良い質問をする力が求められるが、すぐに身につけられるほど容易なことではない。ただ質問力がなくても、相手にたくさん話してもらうための簡単なテクニックがあるのだ。
3つ目は、「はげまし」。話している相手を、「面白いですねー」「興味深いなあ」「それからどうなったの?」と言って動機付ける。「伝わっているか……」「共感を得ているか……」と不安になった話し手の気持ちを励ます言葉である。「もっと詳しく話してくださいよ」「もうちょっと具体的に教えてもらえません?」などでもいい。これは、あいづちの一種とも言える。
はい、ええ、ほお、というあいづちの言葉には意味はないが、はげましの言葉には意味がある、という違いだけだ。人は、思っていることや起こったことを全部しゃべるわけではない。状況や場面に合わせて、割愛したり要約したりする。その話されなかった部分について、話してほしいと要望するのである。
良い質問をしなくても、「うなづき」「あいづち」「はげまし」を実践するだけで、話し手のモチベーションは上がってくるから、話してくれる量も格段に違ってくる。もし、この3つの技を駆使しても上手くいかないのなら、原因はたった1つ。聞く意欲が感じられない表情をしているからだ。コミュニケーションにおいて最も留意すべきなのは、相手の目はずっと開いているということであり、話し手は聞き手を無意識でもずっと見ていて、その表情や仕草から気持ちを読み取ってしまう。そして、言葉の情報よりも、目で見た情報のほうが記憶に残りやすいのである。(川口雅裕)
関連記事
- 人事部は最優先に考えるべきことは何なのか?
人事とは、環境の変化に応じて組織や人材を最適化する機能であり、まさに今、人事部の時代認識が問われていると言ってよい。 - 中小企業の新卒採用が失敗し続ける理由
一般的に大企業より遅れて採用活動を行う中小企業。「自分たちのような中小企業は、大企業が採用しなかったような学生しか採用できないという、いかにもプライドのない前提に立っているのは、いかがなものか」と筆者は主張する。 - 「成長したので昇進させたら失敗した」となる理由
企業人事において、「任せられる」「成果が出ている」「自信を持っている」という状態を見て、十分に成長したと判断し、上の階層に昇進させたら、全然ダメだったということがよく起こります。これは、なぜ起こるのでしょうか。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.