どんな流れで進めればいいの? ビジネスノベルの書き方とは:ビジネスノベル新世紀(5/5 ページ)
近年ビジネス書界隈で目立つようになっているビジネスノベル。ショートショートのビジネスノベルを対象とする「誠 ビジネスショートショート大賞」の作品を書くにはどのような流れで進めればいいのか。1つの例をもとに解説してみました。
(5)実際に書いて推敲する
ここまで来ると、あとは実際に書くだけです。実際書いてみたお話はサンプルストーリーとして誠 ビジネスショートショート大賞の事務局ブログに掲載していますので、読んでみてください(→「寿復職事始め【サンプルストーリー】」)。
書きあぐねている人は、サンプルストーリーと本記事でまとめた制作プロセス例を見比べながら、試しに自分でも同じ素材で少し設定を変えて書いてみる、というのも練習になるでしょう。腕に覚えがある方は、サンプルストーリーを読む前に自分でも上記の設定でざっと書いてみて見比べてみるというのもアリです。もし書いてみたのであれば、せっかくなのでコンテストに応募いただけると、筆者としては(編集部も)大変うれしいです!
また応募する前に、ぜひ一度じっくりと読み直してください。誤字脱字を直したり、改行を加えたりするすることで随分読みやすさも変わると思いますよ。
キャラクター先行で作る方法も
ということで簡単ですが、書き方講座をまとめてみました。冒頭に書いた通り、この進め方でないとダメということはありません。今回はテーマ選定から入りましたが、「こういうキャラクターを出したい!」とキャラクター先行で作ってそのキャラクターの魅力に合うテーマや場面、素材を探し集めてくるというのもよくある話です。
描写が苦手というのであれば会話文形式にするのも1つの手です。Business Media 誠でも「中村誠32歳・これがメーカー社員の生きる道」」というビジネスノベルが連載されていましたが、会話文が軸となっています。
会話文だと書きやすいので調子よくやりとりを書き進めていくと長文になってしまった、ということはよくありますが、誠 ビジネスショートショート大賞は厳しい字数制限はないので、あまり気にすることはないでしょう。どうよって書いていいか分からないという方は、ぜひこの記事を参考にして、コンテストに応募していただければと思います。
第1回 誠 ビジネスショートショート大賞
Business Media 誠では、ビジネスについての短編小説を募集しています。大賞受賞作品は、誠のトップページに長期間掲載されるほか、電子書籍としても出版されます。文字数3000字程度が目安ですが、それより長くても短くても構いません。詳しくは↓の応募要項をご覧ください。
『さおだけ屋はなぜ〜』山田真哉氏や『もしドラ』加藤貞顕氏が審査――誠 ビジネスショートショート大賞
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