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コラム

“同調”がお互いの絆を深める(2/2 ページ)

私たち人類を含め、集団(群れ)で生活する動物たちは、お互いに相手の動きなどを真似し、「同調」することを喜んで行います。そうすることが、生き残りに有効であるからです。また、同調は、運命共同体としての集団を維持する上で不可欠であるだけでなく、お互いの「絆」を深める効果があります。

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セールスのテクニックにも

 セールスのテクニックのひとつに、「ミラーリング」というものがあります。これは、相手がコーヒーを飲んだら、自分もコーヒーを飲む。手を組んだら、自分も手を組む、といったように、相手の動きを鏡のように真似をすることです。すると、相手の自分に対する好意が強まり、商談に成功する確率が高くなることが分かっています。

 また、飲食店で接客係が客のオーダーを取る時、単に「かしこまりました。」と言うのではなく、「ご注文は、サーロインステーキですね!」などと、客の注文内容をそのまま繰り返した方が、チップの額が多くなるという実験結果もあります。

 これは、外国での実験ですが、チップの習慣のない日本の飲食店においても、「オーダーの復唱」はお客さんの好感度・満足度を高め、リピート率向上につながることが期待できます。

 「人に合わせるのは苦手」という方も結構多いと思います。私もそうです(笑)。しかし、お客さんの好意を得たかったら、また、大好きなあの人の心を射止めたかったら、積極的にその人と同調行動を取る機会を作ることをおすすめします。(松尾順)

※参考文献:『共感の時代へ−動物行動学が教えてくれること』 (フランス・ドゥ・ヴァール著、柴田裕之訳、紀伊國屋書店)

 →松尾順氏のバックナンバー

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