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会社で仕事ができる人は、どんなタイプが多いのか佐々木俊尚×松井博 グローバル化と幸福の怪しい関係(5)(3/4 ページ)

成長している企業には優秀な人材が集まりやすいが、具体的にどのようなタイプが多いのだろうか。アップルで働いてきた松井氏が、優秀な人材の共通する点について語った。

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頭のいい人

佐々木:最近、「生き延びられる者だけが生き延びよ」という考え方を強く打ち出しています。

 これは福沢諭吉が言っていた、「自らを助ける者だけが国を助けることができる」という、学問のすゝめのようなもの。全員が同じ方向で……といった江戸時代の農民マインドから脱出しない限り、誰かが突出して先に進むことはできません。突出した者が現れない限り、日本が変わることは難しいと思っています。

松井:ある人に「アップルって頭のいい人が多い」といった話をしたら、「頭の良さってなんですか?」と聞かれました。で、いろいろと考えてみたのですが、頭のいい人って、何かにトライする傾向があるんですね。日本では「頭がいい」ことは、スマートな人のことを意味します。でも頭のいい人って、そういうことではないと思うんですね。

 さきほども紹介しましたが、高校生が「ケニアに学校を建てよう」という運動をして、それを実現させた。最初はどうすれば資金を集めればいいのか分からないので、とにかくクルマ洗いから始めた。でも、それをやった。トライ&エラーを繰り返しながら、しつこくしつこくやっていった。

 アップルの社員がなぜ優秀なのかというと、トライ&エラーを恐れない人が多いのですね。「とりあえず、やってみようよ」といった人が。今、成長している企業には、そうした人材が集まっているのではないでしょうか。

佐々木:最近『リーン・スタートアップ』(著:エリック・リース)といった本が流行っています。リーン・スタートアップとは新しいモノをつくる際に、ムダをなくしてできるだけ早く完成させる方法論です。なぜこうした本が売れるかというと、「次の時代はどうなるのか?」ということが誰にも想像つかないから。誰も分からないので、とりあえず動いてみようといった動きがある。

 小出しにいろいろなことをやってみて、成功したらちょっと進めるといったトライ&エラーが、いまはとても大事になっているのではないでしょうか。

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