最近の「二世帯住宅」って、どんな暮らし?:これからのことがよく分かるコラム(5/5 ページ)
家の購入を検討するときに「二世帯住宅でもいいかなあ」という人が増えている。背景には「給与がなかなか上がらない」「共働きが増えている」といったことがあるようだ。ところで二世帯住宅で暮らす人はどのような生活を送っているのだろうか。
二世帯住宅は多様化している
これまで共働きを中心に二世帯同居の話をしてきましたが、最近の二世帯同居は多様化しています。1つは結婚しない息子・娘が居残っているケース。親としては、このように考えている人が多いのではないでしょうか。「そのうち子どもは結婚して出ていくと思っていましたが、なかなか結婚しない。家はどんどん老朽化していくので、建て替えるか、売って駅前のマンションに引っ越ししたい」と。そこで将来の結婚の可能性も残して、二世帯対応できる住宅に先に建て替えてしまうケースが増えてきているのです。
もう1つは妹夫婦と同居している二世帯住宅に、結婚したお姉ちゃんが離婚して出戻ってくるケース、あるいはお姉ちゃんは結婚していないが、妹が先に結婚してお姉ちゃんが居残る形で同居するケース。旭化成二世帯研究所が二世帯同居の実態を知るために家庭訪問をしたところ、実に2割がこのようなケースだったそうです。しかもこのケース、決して後ろめたい感じではなく、そのお姉ちゃんは家族の中でちゃんと役割を果たしているのです。ローンの一部を支払い、子どもの遊び相手もする。時には食事も作るので、家族の中ではとてもありがたい存在なんだとか。
最後に、二世帯住宅を考えたときにこんな不安があるかと思います。それは「もし離婚したら」「親が亡くなったら」という家族形態の変化に対応できるのかという問題。実はこれを解消するために「二世帯&賃貸併用住宅」という商品が出ています。二世帯住宅として使用しつつ、もし家族に変化があって一世帯分不要になる場合に、その分を賃貸で貸し出せるように最初からプランニングしているような住宅が多くのハウスメーカーから登場しています。
将来も見据えて、親を意識した住まいのあり方について、一度考えてみてはいかがでしょうか?
これからのことがよく分かるコラム:
ビジネスパーソンにとって、情報は大きな“武器”のひとつだ。しかし「新聞、雑誌、テレビ、ネットなどで情報を仕入れているのに、いまひとつ世の中の動きがよく分からない」という人もいるだろう。
もちろんメディアが悪いのではなく、ましてやそのビジネスパーソンの感度がにぶいわけでもない。現在の状況を分析し、次にどういったモノがやって来るのか――といった情報に触れていないのかもしれない。
「これからのことがよく分かるコラム」では、“今と次”にスポットを当てた。今、何が起きているのを知り、次に何が来るのかを推測する。そうした情報を自分の肥やしにして、仕事力をアップさせようではないか。
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