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“鉄人”金本が阪神に残した、一塁への全力疾走臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(1/5 ページ)

21年のプロ生活にピリオドを打ち、静かにバットを置いた金本知憲選手。ビジネスの世界で悩み、葛藤を抱く人たちにとっても、鉄人の生き様には何らかの打開策につながるヒントが隠されているに違いない。

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著者プロフィール:臼北信行

日本のプロ野球や米メジャーリーグを中心としたスポーツ界の裏ネタ取材を得意とするライター。WBCや五輪、サッカーW杯など数々の国際大会での取材経験も豊富。


金本知憲
金本知憲公式サイト

 鉄人が21年のプロ生活にピリオドを打ち、静かにバットを置いた。2012年10月9日の阪神タイガース対横浜DeNAベイスターズ戦終了後に行われた引退セレモニーでスポットライトを浴びた金本知憲はマイクの前に立つと、こう言った。

「甲子園で日本一になりたかった。心残りは後輩たちに託すことにします。本当に夢をありがとうございます」

 この日、甲子園に集まったファンは4万7105人。スタンドにいた猛虎党の誰もが最後の勇姿に大きな感動を覚え、中には人目もはばからずにボロボロと涙を流すファンもいた。

 金本は間違いなくタイガースの救世主であり、スーパースターだった。2002年オフに当時の星野監督(現東北楽天ゴールデンイーグルス)に口説かれ、広島東洋カープから阪神へFA移籍。翌年のシーズンでいきなりリーグ優勝に貢献して以来、ファンから「アニキ」の愛称を命名されて慕われ続けた。2010年4月には1492試合連続フルイニング出場の世界記録をマーク。ギネスからも認定された。彼が「鉄人」とも呼ばれる由来は、ここにある。

 しかし金本が多くのタイガースファンを魅了したのは、こうした記録的なことだけではない。厳しさを常に追求するプレースタイルと、誰よりも熱い闘争心の持ち主であったからだ。

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