ソーシャル時代のリーダーの条件は“己を知ること”(2/2 ページ)
米国のビジネス界で新たな経営ツールとして注目を浴びる「戦略的企業文化」。戦略的企業文化経営に着手する上での第一歩となるのが、経営者自身が「己を知る」こと。今回はザッポス社CEOトニー・シェイの「パーソナル・コア・バリュー」を紹介します。
改めて紙を前にし、自分の価値観を言葉にして表そうと取り組むと、明確な定義ができ、自己認識が深まると思います。そして、一度言葉にしてみると日常生活の随所でそれが思い出されて、より一層コンシャス(意識的)な意思決定ができます。
ソーシャル時代のリーダーの条件はセルフ・アウェアネス(自己認識)だといわれています。より日本風にいうと「己を知る」ということになるでしょうか。
会社というのは「個」の集まりです。価値観のはっきりした会社を作るためには、会社の中の「個」がそれぞれ自分の価値観をしっかりと持ち、しかもそれが会社の価値観と一致していることが必要になります。リーダーが明確な価値観を持っていることはもちろんですが、これはリーダーだけに限らず、会社の構成員すべてについても言えます。自分なりの価値観を明確にもっている人が多い組織こそ、強い組織になると思います。
トニーのパーソナル・コア・バリューを見ると、それがザッポスという会社のコア・バリューにも色濃く反映されているのが分かりますし、また、彼がこれまでしてきたこと、今取り組んでいることすべてがコア・バリューとぴったり合致していることが分かります。きちんと筋が通っていて、ぶれがない。それが、トニーが魅力的なリーダーであるゆえんだと言えるでしょう。
ぜひみなさんも特別な時間を作り、改めて紙の前に座って、ご自身のコア・バリューというものを書き出してみてください。実際にやってみると意外と難しいものですが、そこから得られる自己洞察の実りはきっと大きいと思います。(石塚しのぶ)
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