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コラム

鉄道の不祥事から、何を学べばいいのか杉山淳一の時事日想(5/5 ページ)

JR貨物で「機関車の安全装置が働かないまま6年間も稼働していた」と報じられた。同じ日、三重県の三岐鉄道で電車が脱線した。こういう報道があったとき、野次馬になるか、教訓とするか。あなたはどちらだろうか。

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野次馬にならず教訓を得よう

 JR貨物の機関車の防護無線が無効だった事件は、取り付け時の誤配線という初歩的なミスが原因だという。どうして装置を設置した直後の動作確認をしなかったのだろうか。しかも6年間以上となると、車両の定期点検でも見逃されていたことになる。本当に当初からの配線ミスだろうか。不心得者の悪戯を疑うべきかもしれない。

 それはともかく、JR貨物の機関車不祥事や三岐鉄道の脱線事故などの報道を「鉄道会社の不祥事だ。けしからん」で終わらせてしまったら、火事場の野次馬と変わらない。しかし、その報道から「安全装置を過信してはいけない」という教訓を見い出せば、これはとても意味のある報道となる。

 火災報知器、クルマや自転車のブレーキなど、私たちの周りにも命を守ってくれる機器はたくさんある。しかし、取り付けただけで安全な機器などない。動作確認や定期的な点検を実施し、「安全装置の安全」を確認する必要がある。

 集合住宅に住む私の場合、火災報知器点検のたびに係員に汚部屋を見られると恥ずかしいし、苦痛でもある。しかし、点検は安全のためには大切なこと。せめて快く係員を招き入れるために、整理整頓を心がけようと思う次第である。

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