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コラム

“赤信号”を計画に織り込んでいるか(2/2 ページ)

計画と言うと、普通はスケジュール表のようなものを考えるが、そこでオール・グリーンライトを前提とするのは間違っている。ムリなリカバリーは、致命的な大事故を引き起こすからだ。

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 もっとまずいのは、赤信号を計画に織り込んでいなかったために、次のステップで遅れをすぐに取り返して、もとの計画通りに戻ろうとしてムリをすること。そのムリは、もとよりまったく計画していなかった行き当たりばったりのムチャクチャなのだから、いよいよガタガタになる方が当然で、この途中でそれこそ予想外の別の事故を起こす危険性が高い。

 病気でも、赤字でも、契約破談でも、申請却下でも、そこで当たり散らし、ムリを重ね、その赤信号を無かったことにしようとしても、なにも解決しない。それどころか、より悪い危険な状況にみずから飛び込むことでしかない。そもそも、計画外の赤信号に引っかかるということは、その計画そのものがどこか根本的に間違っていた、ということだ。その先で、赤信号どころか、いずれかならずいきなり大事故や大失敗に陥る。ムリに遅れを取り戻すことより、いったん手を引いて、一から見直した方がいい。

 要するに、赤信号は止まれ、ということだ。ヤクザのようなやり方でゴリ押しをして周囲を黙らせ、かろうじてその場を乗り切ったとしても、人々の不満は消えるどころか、いつか倍返しにしてやろうと、うらみを募らせるだけ。やればやるほど、どんどんリスクが高くなる。だったら、ムリをせず、それを機会に、それを口実にして、計画そのものを止めてしまうという選択もあるのではないのか。(純丘曜彰)

 →純丘曜彰氏のバックナンバー

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