Pontaカードのデータを使って、どんな商品が生まれたのか:仕事をしたら“お客の顔”が見えてきた(3)(2/5 ページ)
Pontaカードのデータを使って、ローソンではさまざまなことを行っている。その1つが、商品開発だ。カードデータからお客の嗜好を分析して、どんな商品が誕生したのだろうか。
倉持:ハハ……またカードデータを見ちゃいました。全国販売に踏み切る前に、関東のとある地域で実験を行ったのですが、正直売れませんでした。チルド弁当は消費期限が長いので、夕方から夜間にかけて売れるだろうと見込んでいました。女性をターゲットにつくったのですが、厳しい結果に終わりました。
社内では「売れないので、止めよう!」「女性市場を伸ばすのではなく、男性市場を伸ばしていこう!」といった声があったのですが、分析結果では女性に支持されていることがうかがえました。私たちは「販売を続けてほしい」とお願いして、さらに「商品開発にあたって、注意してほしいことが3つあります」と提言しました。
1つめは「辛いもの」、2つめは「汁もの」、3つめは「彩り」――。この3つを意識して商品を磨いていってください、と伝えました。
土肥:なぜ3つのポイントを指摘したのですか?
倉持:従来であれば、大きな意見に左右されがちでした。例えば「売れていないから、この商品は止めよう」といった声ですね。でもカードデータという“事実”があるので「この部分を修正してください」と伝えることができたのです。
ろーそん亭については、とにかくデータを読み込みました。お客さまは商品を買ったときに、同時にどんな商品を購入したのか。なぜその商品を購入したのか。といったことをデータから想像するんですね。少し偉そうなことを言わせていただくと、データを分析するには、熟練の技術がないと難しい。経験が浅ければ、誤った方向に行ってしまう。
土肥:分析チームが指摘された3つのポイントは「辛いもの」「汁もの」「彩り」でしたが、これが「甘いもの」「硬いもの」「シンプル」にといった感じですか?
倉持:そうですね(笑)。
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