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サイバー戦争になれば確実に負ける日本伊吹太歩の世界の歩き方(1/5 ページ)

イスラエルとパレスチナのイスラム過激派ハマスの軍事衝突。実弾が飛び交っただけでなく、サイバー空間上での戦争も行われていた。そこに3番目の勢力が介入してきたのだが……。

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著者プロフィール:伊吹太歩

世界のカルチャーから政治、エンタメまで幅広く取材し、夕刊紙を中心に週刊誌や月刊誌などで活躍するライター。


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 官公庁を襲うサイバー攻撃がしばらく前から頻発している。実際に「個人情報が盗まれた」「Webサイトが書き換えられた」というサイバー攻撃はちょこちょこ話題になっている。ただこの程度で大騒ぎしているようでは、あまりにも世界の現実を分かっていない。

 日本はサイバー空間という領域の重要性を真剣にとらえていない。その根底には問題を先送りにする官僚の事なかれ主義があるようにも思うが、政府としてサイバー空間の重要性に向き合って、具体性を持って真剣に議論すべきだろう。

 というのも、世界を見れば、ネット上はすでに「戦場」になっているからだ。データは兵器になり、もはや紛争や戦争においてサイバー攻撃は当たり前になっている。国家が考える軍事領域は、もはや従来の陸、海、空だけではない。例えば、米国はサイバー空間を陸、海、空、宇宙にならぶ「第5の軍事領域」と位置付けてネット戦略を立てているのだ。

 そして最近、このサイバー戦争が実戦と並んで繰り広げられた紛争があった。空爆など大規模な戦闘にまで発展し、2012年11月半ばに地上戦に突入する直前までいったパレスチナのイスラム過激派ハマスとイスラエルの衝突だ。サイバー空間上でどんな「戦闘」が繰り広げられたのか。

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