なぜ開票率1%で当確が出るのか?(2/2 ページ)
衆議院総選挙当日は、ニュース速報や選挙特番で「○○区の××氏が開票率1%で当選確実」などというニュースが流れました。なぜたった1%の開票だけで、当確と言えるのでしょうか? 統計学を少し知るとカラクリが分かってきます。
統計学で見えてくるもの
ちなみに、選挙のほかにも、統計学を使うと今まで見えなかったいろんなことが分かってきます。
いくつか事例を挙げてみますが、ある会社の営業部門の部長が課長に対して、「君の営業課の売り上げが上がらないのは、営業担当が外出しないで社内をウロウロしているからだ!」と言ってきたとします。
そこで、「本当にそうなのかな……」と統計を使って、営業担当の外出頻度に対して、結果である商談発生件数、売り上げなどとの相関性を図ることで、関連性が高そうか、低そうかということを数字で表すことができます。
また、広告を掲載したけど、その広告効果があったのかという検証も、回帰分析という統計手法を使うと、上の例と同じように受注件数や売上金額などによる影響が多かったか、少なかったかなどが数字で読み取れるのです。
そして、アパレル業などであれば、例えば店舗面積と売り上げの相関性や、曜日や天気による、各衣料品の売上との相関性なども数字面で推測できるのです。
誤解があってはいけないので説明しますと、これらの例は、あくまでも定量的な側面からの分析であって、数字だけですべてが読み取れるわけではありませんので、あくまでも一つの指標という意味で使います。
いずれにしても、このような統計的計算を使うといろいろなことが推測できるわけです。
これらのように、統計学はビジネスをする上でも、定量分析と言って非常に大切な指標となります。しかし(これは私の経験からですが)、日本の会社の多くは、定性的な要素を使って現状分析をしたり、定量分析といっても、数字の傾向をグラフにしたり、平均をとったり、前年度と対比したりという分析だけに終始しているケースが多いと感じています。
統計を学ぶことで、これまで我々が見えなかった新たな数字的視点が見えてくると思いますので、日本でもビジネス統計が普及することを願っています。(葛西伸一)
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