コラム
再び始まるマスコミの“安倍晋三バッシング”、なぜ?:窪田順生の時事日想(3/3 ページ)
衆議院の総選挙は、自民党の圧勝で終わった。この結果を受け、筆者の窪田氏は「また始まるのかあ」とウンザリした気持ちになったという。「また始まる」のは自民党政権ではなく、マスコミ各社による“安倍晋三バッシング”だ。
マスコミに協力してほしいこと
そんな思い出にふけりながら、各局の選挙報道を見ていたら、自民の296議席を前にした論説委員たちが口をそろえてこんなことを言っていた。
「この結果は、決して自民が支持されたわけではありません」
確かに「風」はなかった。だが、民主が同じぐらいの議席をとった時、「ついに二大政党制がやってきました」なんてみなさんが無邪気にうかれていたのを覚えているだけに、冷静な分析というよりも「政治の素人どもの民意なんかあてになるか。オレは認めねえぞ」と拗(す)ねるガンコオヤジに見えてしまう。
マスコミも人間だから嫌いものはしょうがない。いくら言ったところで、しばらくしたら安倍晋三の失言を取り上げたり、靖国に行くなんて非常識だとか騒ぐのだろう。ま、それはしょうがないとして、坊ちゃんだとか腹をくだしたとか、呂律がまわらないだとか、あまりにしょうもないことは目をつぶっていただけないだろうか。
これは自民党のためではない。先ほども言ったように、若者たちはオッサンたちが「三国志」みたいな話を嬉々と語り合っている姿になんの魅力も感じていない。そこへダメ押しで、感情丸出しで罵り合うオッサンたちの姿を見せたらどうなるだろう。
もうこれ以上、戦後最低の投票率を更新させないためにも、そこだけはぜひご協力をお願いしたい。
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