コラム
目標設定下手な管理職が会社をダメにする(2/2 ページ)
チームやプロジェクトの中で、一定の期間ごとに設定される目標。抽象的な記述をしてしまうと、評価が難しくなってしまいます。
目標設定にあたっての2つの注意
また、目標の設定に当たっては、次の2点に気をつけなければなりません。
1つは、組織の目標と個人の目標を、しっかり関連付けること。個人が掲げた目標を足し合わせていった時に、組織の目標に対して過不足がある状態ではいけません。みんなが頑張ったけれども、全体としては駄目だったとなりかねないからです。
2つ目は、評価・測定しやすい表現かどうか。達成されたような感じもするし、そうでもない気もする。後でそうならないためには、時期を明確化すると共に、達成の基準やレベルや状態を具体的に表現することが必要です。以前に見た、ある管理職の方の目標に、「労働生産性の向上」とありましたが、数値や時期で達成基準を示しておらず、評価・測定できない典型例と言えるでしょう。「新商品の開発」とか「○○企画の提案」といったものも同じ。開発とか提案といっても、色々と考えられるので、社内決裁とか発売決定とか導入といった、文言にしなければ評価が難しくなります。
目標設定は、難しいものです。SMARTの法則(スペースの関係でここでは触れませんが、検索すればすぐに出てきます)といった簡単なフレームを学んで、すぐに上手に目標が設定できるようにはなりません。しかしながら、目標とはマネジメントのスタートなのであって、惜しみなく時間をかけて取り組むべき重要な仕事です。だから、管理職の思考の中身や本気度を知ろうとするなら、その目標設定シートを見るのが一番。優れたリーダーは例外なく目標設定が上手だと思います。(川口雅裕)
関連記事
- 自分の意思で人生を決めている?――65歳定年時代に大切なこと
自分の人生を自分で決めるという経験をしなくて済むような仕組みや雰囲気がある日本。65歳定年時代を迎えようとする今、自分の意思を持ち、それを分かりやすく周囲に表明し、意思のある行動ができるようになってもらうことが大事だと筆者は主張します。 - 相手にたくさんしゃべらせるための3つのテクニック
営業であれ、面接であれ、話をはずませたり、十分なヒアリングをしたりするためには、良い質問をする力が求められるが、すぐに身につけられるほど容易なことではない。ただ質問力がなくても、相手にたくさん話してもらうための簡単なテクニックがあるのだ。 - 中小企業の新卒採用が失敗し続ける理由
一般的に大企業より遅れて採用活動を行う中小企業。「自分たちのような中小企業は、大企業が採用しなかったような学生しか採用できないという、いかにもプライドのない前提に立っているのは、いかがなものか」と筆者は主張する。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.