調査リポート
世界のビール消費、伸びるアジア・アフリカに足踏みする欧州
キリン食生活文化研究所の「2011年世界主要国のビール消費量」によると、世界全体の消費量は前年比3.8%増の1億8878万2000キロリットルと26年連続で増加したことが分かった。しかし、地域別に見ると、状況は大きく異なるようだ。
キリンホールディングスのキリン食生活文化研究所は12月26日、「2011年世界主要国のビール消費量」の調査結果を発表した。それによると、世界全体の消費量は前年比3.8%増の1億8878万2000キロリットルで、26年連続で増加したことが分かった。
地域別に見ると、市場の構成比としてはアジアの35.2%と欧州の27.1%が大きいが、前年比の増加率では中東が9.9%増、アジアが8.4%増、アフリカが6.9%増と好調だった一方、欧州は0.4%増にとどまった。
国別にみると、トップは中国で前年比10.7%増の4898万8000キロリットル。構成比は26.8%で、世界のビールの4分の1は中国で飲まれていることになる。2位は米国で同1.2%減の2386万1000キロリットル、3位はブラジルで同3.5%増の1260万キロリットルだった。日本は「嗜好の多様化などの影響」(キリン食生活文化研究所)で、同3.7%減の560万1000キロリットルの7位だった。
1人当たりの消費量では、チェコが122.8リットルで断トツ。以下、オーストリアが108.2リットル、ドイツが107.6リットル、アイルランドが101.1リットルで続いた。国別消費量でトップだった中国は33.3リットルの50位にとどまり、日本は43.8リットルで41位だった。
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