コラム
交渉を上手に進めるための三役割の分担(3/3 ページ)
「交渉」と聞くと、荒野のガンマンよろしく1対1で向き合って丁々発止と言葉の対決をするというイメージが浮かぶかもしれませんが、実際のところは「交渉の三役割」を別々の人が分担できるように、チームを組んだ方がうまくいくのです。
応酬と意思決定を分ける「愛犬の法則」
ただ、私たち多くのビジネスパーソンは、チームで交渉に臨むという“ぜいたく”はなかなか許されないかもしれません。リストラでただでさえ人手が足りないし、あるいは上司との面談で「この評価には納得できない」なんて言う時には、同僚を誘ってチームを組むわけにもいきません。
そんな時に役に立つ、応酬と意思決定を分けるためのテクニックがあって、それが「金持ち父さんの愛犬の法則」。ロバート・キヨサキ氏がベストセラーシリーズ『金持ち父さん貧乏父さん』で披露したそのやり方を見てみましょう。
キヨサキ氏のもとにはいろんな人から投資話が持ち込まれるそうですが、一見オイシイと思えても「応酬」の中で興奮して、「よし、その話乗った!」と決めることは絶対にしないそうです。必ず「ビジネス・パートナーと相談してから決めます」と返事をして、いったん留保。ただ、その「ビジネス・パートナー」というのは、実はキヨサキ氏の愛犬で、要するに後で冷静になってから自分で決めるために、交渉の過程ではそういう言い方をするだけなのです。
これならば「応酬」している自分と、「意思決定」する自分に分けることができて、1人で交渉の三役割を担うのが、多少は楽になりますね。ビジネスでも、「上司と相談してから」「社内の会議を通ったら」など、さまざまな「愛犬」を用意して交渉に臨んではいかがでしょうか?(木田知廣)
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