コラム
カーズのパクリ玩具「キョロ2」が日本に流れる理由:窪田順生の時事日想(3/3 ページ)
とある都内の祭りの露店で「キョロ2」というクルマのオモチャを発見した。クルマのボディを後ろに引いて、手を離すとビューンと走る……。そう聞くと、「チョロQをパクったやつね」と思うかもしれないが、そう単純なモノではなかったのだ。
まだ「MADE IN CHINA」から脱却できない
原価を抑えるために「カーズ」のパクリ商品に手を出したんですか、という問いかけはしなかった。
もともと「ロッチ的」なものに甘いということもあるが、不毛なやりとりのような気がしたからだ。
実はこの善良そうな卸問屋が扱っている景品玩具には「前科」がある。数年前に玩具協会が抜き打ち検査をしたところ、中国製のミニカーやゲーム機の塗装から基準の2〜3倍を超える鉛が、そしてボールやお絵描きセットからは発がん性のある物質も検出されたのだ。
景品玩具に触れるのは、お祭りやレストランに来る幼い子どもたちだ。企業にとって、中国の労働力は魅力かもしれないが、「しょうがない」で済まされることではない。当たり前だが、この卸問屋は、20万個にも及ぶ自主回収をすることとなった。
ちょっと前にそんな“痛い教訓”があっても、まだ「MADE IN CHINA」から脱却できない。「チョロ2」を見るかぎり、もはや「依存」と言ってもいい。
今、中国の大気汚染が問題になっている。風にのって、日本にやって来ているそうで、九州では目が痛いとか、山形・蔵王の樹氷が真っ黒になっているだとか報じられている。
確かにえらい話だが、日本の零細企業もだいぶあちらの大陸からの「汚染」を受けている。害がのって来るのは、なにも風だけではない。
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