コラム
バラク・オバマの就任演説と組織論(2/2 ページ)
米国民を結ぶのは、肌の色でも、信仰でも、名前の由来でもない。米国は、「価値観」のもとに建てられた国。オバマの2回目の大統領就任演説を聴いて感じた、「今、日本に求められていること」。
企業組織に必要なもの
同様なことが、企業組織についても言える。今、それぞれ該当の市場において頭角を現し、生活者の熱烈な支持を得て成長しているのはみな「中核」となる価値観を掲げ、そのもとに働く人や顧客の心を束ねることに成功している企業である。「価値観」の具現化に日々努力することにより、これらの企業は働く人にとってより良い組織を作り、その商品やサービスを通してより高い価値を生み、より幸せな社会作りに貢献している。
日本再建が声高に叫ばれている今、日本の国でも、国民の心を束ねるための核、つまり共通の価値観の確立が求められているのではないかと思う。国民の大多数が共感できる価値観が明確化された時、その価値観に少しでも近付きたいと熱望し、行動する意思がより良い国作りの原動力になっていくと思うのだ。
米国に長く住んでいるものの、日本のビジネスの活性化をお手伝いすることを生業としており、日本を良くしたいと願う気持ちは人一倍強いと自負している。就任演説を聴いていて、日本が今、国としてやるべきことの示唆を受けたような気がした。(石塚しのぶ)
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