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コラム

快速電車が消える――そこに鉄道会社の“野望”が見えてきた杉山淳一の時事日想(6/6 ページ)

今年も3月半ばに多くの鉄道路線でダイヤ改正が実施される。新幹線の高速化や新型車両の投入など、にぎやかな話題が報道される。しかしそれだけではなく、鉄道会社の事業戦略の一端が見え隠れしているかもしれない。

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JR東日本の不動産事業にも注目

 JR東日本が、混雑率ではマシな京葉線について輸送強化をしたい理由は、もしかしたらほかにもあるかもしれない。現在の快速通過駅付近で再開発が始まるなら、その鍵をにぎる要素が「鉄道の便利さ」である。東京駅から2つ目にもかかわらず乗降客が少ない越中島駅などは、住宅物件としてはもったいない立地だ。

 この越中島・潮見・葛西臨海公園の各駅は、ラッシュ時間帯の快速中止だけではなく、日中の武蔵野線直通快速がすべて停まるため、1日の停車回数が126回も増える。新線開業を除くと、こんな駅は近年めったにない“出物”である。

 私がJR東日本の社長なら、とっくにこの3駅周辺の土地取得を指示している。むしろ、不動産開発とダイヤ改正はワンセットで考える。国鉄時代にできなかった「多摩田園都市」方式を、いまJR東日本はやろうとしているのではないか。

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