2013年、予期せぬカイモノが日本を救う?:カイモノマーケティング(3/3 ページ)
買い物という行動を基に、モノが売れるということについて考える本連載。2013年の「カイモノ」がどのようになっていくのか、予測してみましょう。キーワードはC・E・Oです。
O2O:ネットとリアルをつなぐ。
O2O(Online to Offilne)という言葉が注目を集めたのは2012年。2013年もネット活用によるリアル店舗への来店促進は進化を遂げていくでしょう。
モバイル技術の進化によって、必要な機器も最小限になり、低価格で手間いらずの施策が行えるようになりました。例えば、来店ポイントアプリの「スマポ」。店舗側に人間の耳には聞こえない超音波の発振機を設置し、それをアプリをインスト−ルしたスマートフォンのマイクで拾うことでチェックイン情報を取得します。
従来の来店促進アプリではGPSデータを使用していたため、位置特定の範囲が広く、実際に来店していたかどうかまでは分かりにいという課題がありました。しかし、スマポでは超音波によって、特定の場所や商品にまでピンポイントで誘導できるのです。
このように、来店促進の技術は日々進化しており効果も高まるでしょう。しかし、大事なのは「来店で終わらせてはならない」ということです。せっかく増やした来店客に対して、その店まで来た価値を感じさせるための「Community」や「Excitement」を提供することがなければ、店頭で買うという行動につなげることはできません。
ネットを持ち、町に出よう。
繰り返しになりますが、消費経済を拡大していくためには、目に見える顕在欲求を捉えるだけではなく、潜在欲求を掘り起こすことが重要です。それには、利便性が高いネット購買だけではなく、予期せぬ買い物行動を生み出しやすい店頭での買い物を活性化することが必要。
一昔前、「書を捨てよ、町に出よう」という書籍が流行しましたが、2013年の買い物行動に当てはめるなら「ネットを持ち、町に出よう」でしょうか。
モバイルを活用した来店促進と、対話や感動というリアル店舗でしか得られない体験が、店頭における予期せぬ買い物を起こさせます。そして消費を活性化し、日本の景気を救うことにもつながります。2013年は多くの方に予期せぬ買い物をする機会が増えることを願っています。
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