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インタビュー

「ライフネットが本当にあってよかったね」――お客からそう言われ、“気づいた”こと仕事をしたら“生保”ができた(前編)(5/7 ページ)

保険会社というのは歴史のある会社が多く、「ライフネット生命」のような独立系の生保が誕生したのは、実に74年ぶり。いまから7年前に設立したが、実際にビジネスを始めてみてどんなことが“分かった”のか。社長の出口治明さんに話を聞いた。

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「かさねぬり」が重要

出口:また大阪に行ったときには、こんなエピソードがありました。ある旦那さんは、弊社の保険に契約するつもりだったのですが、奥さんはこんなことを言っていました。「2000万円の死亡保険で、契約期間は10年やろう? でもこの会社、まだ決算3回しかしてへんで」と言われ、旦那さんは反論できませんでした。

 奥さんの気持ちも分かりますよね。旦那さんがもしなにかあったときに、いざというときの2000万円ですから。

土肥:でも歴史を出されると、ちょっと厳しいですよねえ。会社の歴史が10年経てば、安心して契約期間10年の保険に入れる……というのもなんだかおかしな話ですし。

出口:この仕事をさせていただいて、「『かさねぬり』が重要であること」が分かりました。

土肥:かさねぬり? どういう意味でしょうか?

出口:会社のWebサイトを見たとか、テレビでCMを見たとか、新聞で広告を見たとか、会社の名前を3〜4回かさねぬられると、その人の頭の中に会社のことが認知されるのではないでしょうか。かさねぬられたあとに、結婚したとか、家を買ったとか、そうしたイベントがあって、人は「保険に入っておかなければ」と思う。

 私たちは何度も何度もかさねぬりをしていかなければいけません。そして、お客さまは自分のライフイベントがあったときに、「そーいえばライフネットという会社があったなあ」と思い出し、申し込まれる。ネット上ではそんな購買行動が見えてきました。


消費者に会社のことを認知してもらうには「かさねぬり」を続けなければいけない(写真と本文は関係ありません)

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