「いかにお客さまに喜んでいただくか」は間違っている!?(2/2 ページ)
顧客満足向上やサービス向上についての取り組みを行う上で、しばしば聞かれる「いかにお客さまに喜んでいただくか」という言葉。しかし、筆者はそこに落とし穴があると指摘します。
「お客さまにいかに喜んでいただくか」より大切なこと
ここでもう一つ重要な定義を見てみたいと思います。それはサービスの定義です。
「人や構造物が発揮する機能で、ユーザーの事前期待に適合するものをサービスという」
これがサービスの定義です。この定義の中には実に多くのポイントが隠されているのですが、今回のテーマに関連するポイントを紹介します。
それは「事前期待に適合するものをサービスという」という部分です。裏を返せば、「事前期待に適合しないものはサービスと呼びませんよ」ということになるのですが、では何と呼ぶか? それは「余計なお世話」や「無意味行為」「迷惑行為」と呼ばれてしまうのです。
ここから分かるのは、お客さまに喜んでもらうために「良いサービスは喜ばれる」と思って勝手に作ったサービスには、かなりの割合で「余計なお世話」などが入り込んでしまうということです。言い換えれば、事前期待をつかまないとサービスは提供できない。事前期待をつかまないと顧客満足は得られない、ということなのです。
これを理解しているかどうかが、顧客満足向上活動において、極めて重要なポイントになるのです。
これからの顧客満足向上活動はどうすればいい?
これまでに見てきたように、顧客満足向上やサービス向上の活動のキーワードは、「お客さまの事前期待」です。ではこの「事前期待」というキーワードをどのように活動に取り込んだらいいのでしょうか?
やはりまずは、事前期待を顧客満足向上活動の目標値として掲げるということです。つまり「いかにお客さまに喜んでいただくか」ではなく、「お客さまはどんな事前期待を持っているのか」をつかみ、徹底的に議論するところから始めることが効果的だと思います。
しかし、実はこの「事前期待をつかむ」ということは、想像以上に難しい時代になってきています。なぜならば、お客さまのニーズの持ち方が時代とともに変化してきて、最近では「お客さま自身、自分のニーズが分からない」という時代になっているからなんです。
つまり、営業マンがお客さまを訪問して「何が欲しいですか? 事前期待は何ですか?」とうかがっても、アンケートを取っても、お客さま自身が本当に何が欲しいのかをうまく言えなくなってきたということです。
では、お客様の事前期待をつかむには、どうしたらいいのか? このあたりについては、また別の機会にご紹介したいと思います。(松井拓己)
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