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なぜプロ野球選手は「タバコ」がやめられないのか?臼北信行のスポーツ裏ネタ通信(2/4 ページ)

WBC3連覇に向けて2次ラウンド進出を決めた侍ジャパン。代表という重圧をどのように緩和しているのか。今大会で選手や首脳陣、そしてスタッフに取材して見ると、意外にも多かった答えが「タバコ」だった。

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プロ野球選手は喫煙に対する罪悪感が薄い

 なぜ、プロ野球選手に喫煙者が多いのだろうか――。侍ジャパンに属する非喫煙者のベテラン選手は「明確な理由は分かりませんが」と前置きした上で、次のように続けた。

「プロ球界には『タバコを吸ってはいけない』というムードが、あまりないからだと思いますよ。野球選手は喫煙に対する罪悪感の意識が、サッカーなど他のプロスポーツより低いと指摘されても仕方がないでしょうね」

 DeNAは2012年10月に「禁煙セミナー」を実施。新人への全員禁煙、若手にも禁煙を勧めることが決まった。ただし日本プロ球界全体を見渡せば喫煙選手に対する姿勢は、おおむね寛容的のようだ。前出のベテランも、こう補足した。

「たとえタバコを吸っていても、きちんとしたプレーができるのであれば喫煙しても問題はないとも思う。やらないにこしたことはないけれど、逆に禁止することで精神的なストレスが生じてしまうことのほうが問題。タバコを吸っていてもファンの前で最高のプレーを見せることができれば、プロ選手としては『合格』ですよ。きちんとマナーを守って人に迷惑をかけなければいいと思います」

 ちなみに喫煙者であることを堂々と「カミングアウト」する選手が多いプロ球界と対照的なのが、プロサッカーのJリーグだ。人前でタバコを吸うこと自体が「タブー中のタブー」とされているのは有名なルール。だから喫煙Jリーガーはファンの前では無論、チーム内でもごく親しい仲間うち以外には自分が喫煙者であることを隠しているケースが多い。

 あるJ1のチームでは、タバコを毛嫌いする外国人監督に喫煙者であることがバレて、「オマエはタバコを吸い過ぎてパフォーマンスが落ちた」と糾弾された主力選手が即座に先発メンバーから外された。プロ選手にとっては死活問題だ。喫煙Jリーガーはプロ野球選手と比較すると、肩身の狭い思いをしているのが現状のようである。

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