コラム
少しの工夫で顧客獲得チャンスを倍以上にする方法(2/2 ページ)
企業のWebサイトなどで、よく設置されている資料請求フォーム。ここに簡単な項目を1つ増やすだけで、その効果が大きく変わるという。
資料請求の効果を倍増させる目的
この資料請求のコンバージョン効果を倍増させる「必要部数」を設置する目的は、「チャンスロス」を最小化することにある。
例えば、ハウスメーカーで考えてみよう。
住宅を購入したい夫婦がいて、住宅メーカーに資料請求をしたとしよう。奥さんが資料請求して、1部しか送付しない場合、奥さんが資料を見て、自分の主観だけで「これはダメ」「ここは良さそう」と決めてしまうかもしれない。そして、残った会社の資料「だけ」を主人に見せるかもしれない。
そうなれば、主人の選択肢は、奥さんから受け取った資料の会社だけとなり、奥さんが事前に排除した会社は「選択肢」にすら入らない。「選択肢に入らない」というのは致命的である。商売の基本は、まず選択肢に入ることであり、そこから漏れると選ばれることすらない。
しかし、資料を2部送付している場合はどうだろうか? しかも、資料送付時に「ご主人用」と「奥様用」というように事前に分類して送付したらどうなるだろうか? 奥さんが自分の主観だけで排除することがなくなり、「選ばれる可能性」が高くなるのは想像できるだろう。
これこそが、私の言っている資料請求のコンバージョン効果が倍増するという真の意味である。必要部数の資料を送ればいいというわけではない。「目的は何なのか?」をしっかり意識して、資料を送付することが大事なのだ。(荻野永策)
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