日本人の住まいの考え方――どう変化している?:博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人(2/4 ページ)
3月といえば、引っ越しのシーズン。日本人は住生活についてどのように考えているのだろうか。博報堂生活総合研究所が行っている調査の結果から、住まいの考え方を見ていこう。
ダウンするスペース志向とおしゃれ志向
まずは下のグラフからご覧ください。「生活定点」調査の調査地区が首都圏30キロメートル圏内と阪神圏20キロメートル圏内という都市部中心ということもありますが、時系列でみると「住むなら一戸建ての方がよいと思う」は下降傾向です。合わせて「部屋数を減らしても、1つの部屋のスペースを広げたい方だ」「個室よりも家族で一緒にすごすスペースを充実させたいと思う」といったより広いスペース志向は下降しているのです。
日本人は「ウサギ小屋」と言われ、より大きなお家に住みたいと思っているのではなかったのか!? とも思いましたが、ただ広ければいいというものでも、もうないのかもしれませんね。(ちなみに最新時点のみですが、「持ち家よりも賃貸の方がよいと思う」は5.8%で「賃貸派」はまだまだごく少数のようです。つまり「持ち家」で戸建てでなくて集合住宅というのが流れなのでしょうか)
「広けりゃいいってもんじゃない」のなら、広くなくても部屋の中は機能的にあれこれ凝りたい! おしゃれに演出したい! と思ったら、さもありなん。いわゆる部屋の中のおしゃれ志向も下降しているのです。
「自宅(自分の部屋)のインテリア・コーディネイトに興味がある方だ」「室内に観葉植物や鉢植えがある」「純和風の部屋には憧れがある」「住まいのダニ、ホコリ、カビなどが大変気になる方だ」は軒並みダウン。横ばいなのはせいぜい「木の床(フローリング)が好きだ」ぐらいです。日本人の住まいへのニーズはどちらの方向に向かっていると考えればいいのでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

