感想を求める場合は「Do you ……?」より「Any thoughts?」:ネイティブに伝わるビジネス英語(1/2 ページ)
第15回は、出張や商談など、営業の際によく使われるフレーズです。
集中連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」について
本連載は、日本人の英語を知りつくしたベストセラー英語教師、デイビッド・セインさん執筆の書籍『出社してから帰るまで ネイティブに伝わるビジネス英語700』『30秒英語プレゼン術 エレベーター・スピーチでビジネス英語のレベルが一気に上がる!』『打ち合わせから出張まで ネイティブに伝わるビジネス英語 ワンランクアップ編』(アスコム刊)から一部抜粋しています。
――あなたは残念な英語になっていませんか? ビジネス英語では、日常英会話よりもさらに、伝えたいことが正確に、はっきりと伝わることが大切です。
でないと、思わぬ誤解から、仕事が失敗に終わったり大きな損失を出してしまったり、相手を怒らせてしまう可能性があるのです!
しかし、実際のビジネスシーンでは「使ってはいけない表現」を使ったり、「誤解されやすい表現」を使ったり………。残念なビジネス英語が飛び交っています。そして、そのことに気付いていないのは話している本人だけだったりします。
書籍では、使ってはいけない表現と、ネイティブに「ちゃんと伝わる」表現を紹介しています。
日本人の英語を知りつくしたベストセラー英語教師、デイビッド・セインさんによる連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」。第15回は出張や商談など、営業の際によく使われる会話やフレーズを紹介していきます。
→連載「ネイティブに伝わるビジネス英語」バックナンバーはこちら
チャプター15:営業活動編
まずは、意味は似ていますがネイティブには伝わりにくい表現から。
何かご意見などございますか?
- Any thoughts?
Do you like it?←ネイティブには伝わりにくい表現
Do you ……? は疑問文なのでYesかNoで答えなければならないような気持ちになり、聞かれた相手は「好きですか? それとも嫌い? どっちですか?」のようにプレッシャーを感じる場合もあります。
このように感想を求める場合はDo you ……? ではなくAny thoughts?「何かご意見などございますか?」がよいでしょう。プレッシャーを感じずに思っていることを話せる雰囲気があります。
お忙しいのは承知しておりますが、少しだけよろしいでしょうか。
- I know you're busy, but I just need a second.
I'm sorry you're busy.←ネイティブには伝わりにくい表現
I'm sorry you're busy.は、相手が忙しいことをあなたが謝罪している意味になってしまいます。この場合は、「その状況を十分理解していますが、その上で何とか少し時間を頂けますでしょうか?」と言った方があなたの気持ちが伝わるでしょう。
Sorry, I won't keep you long.「すみませんが、お手間は取らせません」、Sorry, I'll make this quick.「すみません、すぐに終わらせますが」、Sorry, I just need five minutes of your time.「すみません、5分ほどお時間を頂きたいのですが」のように言うこともできます。
コラム:お土産を渡す
ビジネスでは、その国の社会や文化に色濃く影響される場面が多々あります。米国人が日本人とビジネスを行うときに、戸惑うことの1つが「贈り物」。日本では、お中元やお歳暮のような季節の贈り物のほか、旅行土産などさまざまなプレゼントの機会があります。
基本的に欧米人がプレゼントを贈るのは、クリスマスや誕生日など特別な機会や、何かをしてもらった際に心からの感謝を表したいときです。
「お近づきの印」や「旅行土産」で特に親しくしていない人たちにまで一律にプレゼントを配る習慣はありません。
もし、あなたが感謝を表したいのであればThank you cardやThank you letterでも相手は喜んでくれるはず。逆に高価な物をもらえば、自分の親切がお金に換算されたような寂しい気持ちになることがあります。
会社同士のビジネスでの高価なプレゼントも、欧米人を悩ませる原因。このような形でプレゼントをもらい慣れない人にとっては「これってわいろ?」「何か要求される?」などといらぬ心配の種になりかねないのです。
米国では大統領をはじめ、政府関係者が受け取ってよいプレゼントの額は法律で厳しく定められています。そのような背景があることを忘れずに。
でも、「どうしても感謝の気持ちを表したい!」と思うなら、高価な物は必要ありません。メッセージカードなどを添えて、相手の喜びそうな物をそっと手渡してみましょう。相手はきっと喜んで受け取ってくれるでしょう。
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