インタビュー
日本で起業するのはなぜ難しいのか――アメリカのほうが優れている点:仕事をしたら“新薬”ができそうだ(後編)(7/7 ページ)
「会社を立ち上げる際、日本よりも米国のほうがやりやすい」――。こういった声をよく聞くが、なぜ米国のほうが起業しやすいのか。研究者という安定を捨て、米国で製薬ベンチャーを立ち上げた窪田良さんに、話を聞いた。
薬には「国境がない」
土肥:現在、これまで誰もつくったことがない新薬(加齢黄斑変性〈ドライ型〉)を開発中ということですが、もし新薬が完成すれば、ご自身の中で大きな山を登りつめるのかなあと思うんですよ。山頂まで登ったあと、なにかしたいことってありますか?
窪田:米国で家族と一緒に暮らしているのですが、子どもたちには「日本に住んでみたい」と思ってほしい。そのためにも、日本は、世界から必要とされ、尊敬される国であってほしいですね。
私ひとりの力はちっぽけなものですが、日本がいい国であり続けるために、なにか役に立てないかなあと考えています。それが会社を経営することかもしれませんし、全く別のことかもしれません。いまの段階では、想像できないですね。
薬剤開発の仕事をしていると、「国境がないなあ」と感じるんですよ。いい薬をつくれば、欧米の人も、アフリカの人も、アジアの人も、治療することができる。価値観の違う人が、薬に共感してくれる。そんなことを考えていると、やはりこの仕事から離れることはできないかもしれませんね。
土肥:最後に、ムチャなお願いをひとつ。今後も、じゃんじゃん新薬をつくって、苦しんでいる人を助けてください。
窪田:はい。がんばります。
(終わり)
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