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コラム

模造薬、ヤミ金、儲け話……いかがわしいモノに手を出す“客”の心理とは?窪田順生の時事日想(2/4 ページ)

人はなぜいかがわしいモノに手を出すのか。例えば「模造医薬品」や「ヤミ金」なんて話を聞くと、手を出す人の気持ちが分からないと思うかもしれないが、彼らの心理には共通したワードが浮かびあがるのだ。それは……。

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「面倒くさい」が大きな意味をもつ

 元暴力団員のAさんも、模造医薬品は「よく売れている」と言っており、その理由をこのように分析をした。

 「病院に行くのが面倒くさいんだろうな」

 Aさんの顧客は50〜60代が中心。つまり、「いい歳になってそんな話を他人に打ち明けたくない」からだと言うのだ。事実、そのような顧客心理によって販売網が拡大しているという。

 例えばこんなケースだ。居酒屋でオッサン同士が飲む。いくつになってもヤロウが集まったらマジメな話など続くわけがなく、酒がすすめば十中八九は下ネタになっていく。

 「最近どうよ?」

 「いや、なんかダメみたいでさ」

 「オレ、バイアグラ飲んでるけどいいよ」

 なんて調子で盛り上がるなか、すかさずAさんの顧客がこんなことを言う。

 「分けてやろうか? ネットで安く買えるからさ」

 オッサンたちは一気に前のめりになる。みなバイアグラには興味はあったものの、「病院へ行くのが面倒くさい」ということで二の足を踏んでいたからだ。どのサイト? 教えてくれよ、なんてやりとりを経て、Aさんの新規顧客がまた1人増えるというわけだ。


なぜ「模造医薬品」が売れるのか? (写真はイメージです)

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