安倍首相の「3年間抱っこし放題」は、本当に女性のキャリア支援になるのか:サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」(5/5 ページ)
「3歳まで育児休暇を延長」「待機児童ゼロ」アベノミクスの3本目の矢、成長戦略の柱として打ち出された、女性のキャリア支援策。どんなデータを元に議論がなされたのか、このゴールデンウィークに改めて考えてみませんか。
厚生労働省の雇用均等基本調査をベースに作られた資料の中には「育児休業制度の規定がある事業所の割合は68.0パーセントまで、女性の育児休業の取得率は85.6パーセントまで上昇している」と書かれています。コレを見て「素晴らしい成果だ」と思う人よりも「えーっ、すべての企業に規定があるわけではないのか!」と驚く人の方が多いかもしれません。また、今回の提案が「男性の育児参加を増やすことと逆行している」と考えがちですが、それも前回の法改正を理解すると「それが運用されていないことがダメだ」ということに気がつくはずです。それもこれも「そもそも当事者たちが知らない」ことにも原因があるような気がしてなりません。
知らなければ、いくら制度を用意しても利用されないし、状況は変わることはない。これらのことを理解するのは大変です。今回は連休に入る人が多いという前提で「目を通しておいた方がいい」たくさんの参考資料を明示しておきます。中には100ページを超えるものもあり、読んでいるだけでめげてしまいそうです。が、しかし、制度や提案、法律などをある程度理解できていないとその恩恵には与れないし、問題点も指摘できない。権利も主張することが難しくなるはずです。ビジネスの現場では「もっと生臭い」話にあふれていて、理想と現実は違うということを前提に置いたとしても、自分の働く環境をより良いものにするために、ちょっと勉強するだけでできることがあるはずだと、ここでは提案しておきたいと思います。
関連記事
- サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:安倍首相が正式要請! 就活解禁が3カ月後ろ倒しになると何が起きる?
現在、新卒採用は大学3年の12月からスタートすることになっていますが、これを3年生の3月に遅らせることになりました。表面上は就活期間が短縮されることになりますが、これにより予想される変化とは? - サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:35歳で「初めて就職する」ことの困難さを、改めて考えてみた
先日、ある女性の就職相談に乗ったというサカタさん。芸術系の大学を卒業し、その道に進んだ彼女は現在35歳。別の道を歩もうと正社員としての採用を目指し就職活動を開始したものの、世間の風は冷たかったといいます。 - サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:「転職は当たり前の時代」は本当か――転職についてシリアスに考えてみる
あなたは転職経験者ですか? キャリアコンサルタントは「転職を考えない社会人がいることに驚く」などと言いますが、実際のところはどうなのでしょう。今回は、転職について考えます。 - サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:この時期だから話そう、「優秀なのに内定が出ない」人のことを
今日は4月1日、新年度の始まりの日。経団連の倫理憲章に沿う企業の2014年度新卒採用が正式に開始になる日です。前回のインターンシップの話に続き、今回は“優秀なのに内定が出ない人“の事情に迫ります。 - サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」:新卒採用面接は、なぜ何回もくり返し行われるのか
ほとんどの人事採用は「面接」という方法で行われます。しかし、密室での面接官とのやりとりは、実際の業務には関係のないこと。面接で能力が本当に分かるのだろうか、と疑問に思ったことはありませんか? - サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」バックナンバー
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.