“35歳転職限界説”が崩壊? 転職した人の平均年齢
転職した人の年齢は、時代とともにどのように変化しているのだろうか。2007年4月から2013年3月の6年間に、転職サービス「DODA」を利用して転職した人のデータを調べた。
転職した人の年齢は、時代とともにどのように変化しているのだろうか。2007年4月から2013年3月の6年間に、転職サービス「DODA」を利用して転職した人のデータを調べたところ、平均年齢は2008年以降右肩上がりに上昇し、29歳から31歳と5年間で2歳上昇していることが分かった。
年齢割合を見てみると、35歳以上の割合が10%から23%と2倍以上増加しており、“35歳転職限界説”が崩壊しつつあるようだ。
転職者の年齢が上昇している背景について、「中途採用マーケットにおいて、即戦力のニーズが高まっていることがある。2007年ごろまで企業では、第二新卒など若手を採用して育成する動きが目立った。これは、即戦力補給のための中途採用が企業にまだ定着しておらず、新卒採用を補てんするためという位置付けが色濃かったためと考えられる。ところが2008年ごろから、景気やマーケットの変動が激化する中、事業展開のスピードを加速化するために、必要なスキルやノウハウを習得している経験者を社外から確保する企業が増えた」(DODA)と分析している。
転職者の年齢割合・職種別
職種別に転職者の年齢割合を見てみると、20代の割合が最も多いのは「販売・サービス系」の70%で、全体平均の50%を20ポイントも上回った。次いで「専門職系」(67%)、「営業系」(63%)が続いた。
30代以上の割合が最も多いのは「技術系(建築/土木)」の73%で、全体平均の50%を23ポイントも上回った。次いで「技術系(機械/電気)」(64%)、「技術系(IT/通信)」(61%)が続いた。「技術系職種では専門領域の知識やスキルを段階的に習得していくことで、中長期的にキャリアを形成していく傾向にある。このため、十分な経験や技術を身に付けた30代以上の採用ニーズが高いと言える」(DODA)
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