中高年の4割がアベノミクスによって不安が大きく……なぜ?
アベノミクスの影響を受け、株価が上昇傾向にあるが、中高年はこうした経済の動きをどのように捉えているのだろうか。50〜79歳の男女に聞いた。オウチーノ総研調べ。
アベノミクスの影響を受け、日経平均株価がリーマンショック前の水準に回復しているが、中高年は今の経済の動きをどのように捉えているのだろうか。50〜79歳の男女に、アベノミクスによって、今後の生活に対する不安感に変化はありましたかと聞いたところ「不安が少なくなった」と答えたのは7.0%に対し、「不安が大きくなった」は43.7%であることが、オウチーノ総研の調査で分かった。
「不安が大きくなった」と答えた人に、その理由を聞いたところ「物価上昇」の声が目立った。「物価の上昇で、毎月赤字の生活です」(58歳/山形)、「現在働いているので収入もそれなりにあるが、年金のみになった時に消費税増・物価高騰を考えると不安」(65歳/島根県)、「年金は増える見込みがないのに物価は上がる。どうやりくりすればいいのか」(77歳/東京都)」といった意見があった。
政府に期待したいこと
今後、政府に期待したいことは何だろうか。この質問に対し「給与アップ」と答えた人が最も多く、次いで「年金アップ」「税負担の縮小」「低所得者救済・格差是正」「物価抑制」という結果に。「税負担の縮小」については「日用品には非課税をお願いしたい」(60 歳/東京都)と生活必需品への軽減税率の適用を求める声も多く挙がった。「低所得者救済・格差是正」については「格差をおさえて貧乏人も何とか暮らしていけるようにしてほしい」(73 歳/大阪府)」などの意見があった。
こうした結果について、オウチーノ総研は「今の中高年がかつて経験してきた高度経済成長やバブル景気では、物価同様、給与も上昇し、人々の生活は変化していった。アベノミクスのリスクとして、物価上昇と所得上昇にタイムラグが発生する可能性が高いと指摘されているが、今回の調査では中高年の慎重な姿勢がうかがえた」としている。
インターネットによる調査で、50〜79歳の男女775人が回答した。調査期間は4月26日から27日まで。
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