“お母さん大好き!”日本人が増加中――お父さんは人気がない?:博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人(1/3 ページ)
5月は第2週に母の日、6月にも第3週に父の日がありますが、日本人は親に対して、どのような考えをもっているのでしょうか。時系列調査「生活定点」を基に、これからの父親像と母親像をご紹介します。
博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人:
30年以上にわたり生活者を研究し続けてきた「博報堂生活総合研究所(生活総研)」。同研究所の主席研究員である吉川昌孝氏が、生活総研オリジナル調査「生活定点」などのデータを用いて、“時代の今とこれから”を読み解きます。
「生活定点」とは、1992年から20年間にわたって隔年で実施している時系列調査。衣食住から地球環境意識に至るまで、人々のあらゆる生活領域の変化を、約1500の質問から明らかにしています。現在、生活総研ONLINEで20年間のデータを無償公開中。こうした生活者データから得られる“ターゲット攻略のヒント”はもちろん、ビジネスパーソンの日々の仕事に役立つ“データを読み解く技術”などもご紹介していきます。
著者プロフィール:吉川昌孝
博報堂生活総合研究所研究員、および動態研究グループ・グループマネージャー。1965年愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒、同年、博報堂入社。マーケティングプラナーとして得意先企業のマーケティング戦略立案業務を担当。2003年より生活総合研究所客員研究員となり、2004年より生活総合研究所に異動。2008年より未来予測レポート『生活動力』のプロジェクトリーダー。著書に『亞州未来図2010−4つのシナリオ−』(阪急コミュニケーションズ・共著)、『〜あふれる情報からアイデアを生み出す〜「ものさし」のつくり方』(日本実業出版社)などがある。2008年より京都精華大学デザイン学部非常勤講師。
みなさん、こんにちは。博報堂生活総研の吉川です。長期時系列調査「生活定点」をベースに日本人の今とこれからを探るこのコラム、第6回目のテーマは「父と母」です。
5月は第2週に母の日、6月にも第3週に父の日と、「父、母」をテーマにした記念日が続きます。そこで、日本人の父、母への意識の変化から、これからの父親像、母親像について考えてみたいと思います。
母の日>父の日
「生活定点」のデータによると、母の日に贈り物をしたという人は50.4%に対し、父の日が31.7%と、母の日が父の日を大きくリードしています。この傾向はずっと続いていて、しかも最近はさらに強まりつつあり、このことからも「お母さん大好き!」な日本人の性質が強く出ています。
さらに「母の日」の贈り物経験について年代別に見てみると、男性も女性も30代が最も高い。特に女性は77.6%と8割近い人が母の日に贈り物をしています。お金にも余裕が出てきたり、あるいは結婚したり、自分も親になったりして、母への感謝を改めて感じる時期というのもあるのでしょう。その後、年を重ねると数字は下がっていきますが、60代でも男女ともに、2割以上の人が母の日に贈り物をしている、というのは少し驚きました。
父の日に贈り物をしている60代が男性4.6%、女性でも9.0%という結果をみると、還暦を過ぎても「お母さん大好き!」の傾向は、顕著に出ていることが分かります。では、お母さんとお父さん、尊敬しているのはどっちでしょうか。
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