来日中、FacebookのCOOが語る「女性の社会進出に必要な3つのこと」(4/4 ページ)
Facebookのナンバー2、COOのシェリル・サンドバーグ氏が来日中だ。安倍首相と会談したり、著書『LEAN IN』の出版イベントに参加。記者会見で語った「女性の社会進出のために必要な3つこと」について、ほぼ全文を掲載する。
「女々しい」という言葉は米国にもある
――日本には「女々しい」という言葉があって、優しい男性のことを揶揄するような一面もあります。女性が男性のように行動するのも大事なんですけど、男性が女性のことを考えて行動することも一方では同じくらい大事なんじゃないかと思うのですが、例えば男性の場合の『LEAN IN』を誰かが書くとしたら、誰がいいと思われますか?
シェリル・サンドバーグ 実は米国にも「女々しい」に相当する言葉がありまして、よく使われるんですけど、「女みたいな」ということで、「Don't be a woman」という「女々しい」と同じような言い回しがあるんです。
今おっしゃった質問の私なりの解釈をさせていただくと、「女性はこうあるべき」という中に、女性は良いところがあるからこうあるべきというのがあると思うんです。男性にとっても、男はこうあるべき、要は「男らしい」と。男らしいも、女らしいも、それぞれの良いところを取っていったら、人間として、より良い人間になれるんじゃないかと思います。
皆さんそれぞれ経営スタイルがあると思いますが、私の本の中には、私の経営スタイルが書いてあります。1つは、やっぱり結果は大切です、ということです。結果は出してくださいということは言うんですけど、2つ目としてはその時の気持ちです。考えたことだけではなくて、思ったこと、環境について同僚や部下と話せる空気を大切にしています。
そういった結果を重視するのと、その時の経過や気持ちを重視することを組み合わせることで、女性の経営者だけではなくて、男性の経営者も取り入れられることじゃないかと思います。
「キャリアはジャングルジム」が理想
――ダイヤモンド・オンラインと申します。書籍の中で私がとても印象に残ったのは「キャリアはジャングルジムと呼ばれている」という部分です。日本だとどうしても「M字カーブ」と言われる。やっぱり結婚・出産を機に辞めて、1回辞めてしまうとなかなか復帰するのが難しいという雇用の問題もあると思います。それについて米国では1回辞めてもスタートできるという社会の仕組みがあると思うんですけど、日本でもそうあるべきか、日本でもジャングルジムのように登っていくためには社会がどうあるべきか、考えがあればお聞かせください。
シェリル・サンドバーグ 先ほどM字カーブのお話をしていただきましたが、やっぱり結婚とか出産をした後に仕事を辞めて、そこから戻る、復帰するというのは米国でも実は難しいことなのです。
ただ日本ではその状況はもっと厳しいものだと私は理解しております。例えば、出産後に仕事を辞めなければならない方が60%、女性の中にいます。それも自分から進んで辞めるのではなくて、何か外的な要因で辞めざるを得ないという方も多いと聞いております。
特に最近では企業も気づき、理解されていることだと思うんですが、良い従業員、要は優秀な社員を考えた時に、女性も必ず雇っておかなければいけない。優秀な女性が復帰できないような社会は生産性が悪くなる。これは日本の経済、会社の業績にとっても死活問題になると気づいているところが出てきているのではないでしょうか。
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