大学7年生の学生が、途上国に“最高の授業”を届けられた理由:仕事をしたら“なんちゃってグローバル君”がいた(4)(2/7 ページ)
教師不足に悩む途上国に、DVDなどを使って“最高の授業”を届け続ける男がいる。早稲田大学の7年生、税所篤快さんだ。20代半ばの税所さんは、どのようにして世界各地の教育危機を救ってきたのだろうか。
プロジェクトを始めたきっかけ
土肥:教育をきっかけに世界を変える――。税所さんがこのプロジェクトにかかわることになったきっかけが興味深いですねえ。だいたいこうした話のときには立派なストーリーが出てくるものですが、税所さんの場合は「失恋」がきっかけだとか。
高校2年生のときに、一橋大学イノベーション研究センター長の米倉誠一郎先生の話を聞いて、税所さんは「イノベーションを起こし、世界を変えたい」と思うようになったそうですね。彼女の前でもそんな大口ばかりたたいていたところ、愛想をつかされてしまった。でも、そこからが違う。失恋のショックを引きずるのではなく、税所さんは「男として足りないものは何か」「どうしたらもっと強くなれるのか」を自問して、いまのプロジェクトを実現するこになったそうですね。
税所:はい。
土肥:失恋したことで、当時付き合っていた彼女を見返してやろう! といった気持ちがあったのでしょうか?
税所:どういう表現があっているのか……そこは難しいですねえ(苦笑)。見返したいのか、認めてほしいのか。いろいろあるかと思いますが、自分の中で“大きなきっかけ”になったことは間違いないですね。
ドイさんがお話されたように、当時のボクはホラばかり吹いていました。「オレは大きなことをやるんだ!」などと宣言していましたが、全く動きませんでした。やるやると言いながら、何もしない。彼女には「あなたはあんなに“やるやる”と言っていたのに、なぜやらないの?」と言われてしまって……。
土肥:うわー、こっちまで怒られている気分になりますね(笑)。
税所:フラれた理由の3割くらいは、ボクのそうした言動だったのでしょうね。
土肥:残りの7割は? (誠編集部・K嬢:ちょ、ドイさん! プライベートに踏み込み過ぎですよっ!)
税所:残りの7割はいろいろありまして、このへんでご勘弁を。
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