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サイバーセキュリティを見直してみては? 背筋が凍る解説本:相場英雄の時事日想(2/3 ページ)
ネットを使っていて、「個人情報が盗まれているかも」と不安に感じたことがある人も多いのでは。こうした類の話は専門的になりがちだが、『サイバーセキュリティ読本』(著・一田和樹)は素人にも分かりやすく解説しているので、オススメの一冊だ。
また、スマホについてはこんな解説もある。
スマートフォンは、“あなたという商品”についた商品タグ〜(中略)〜見方を変えると無料のインターネットサービスは、“あなた”を商品にして、広告主に売って儲けていると言えます。“あなた”とは決済情報を含む個人情報です。そのまま個人情報を渡して勝手にお金を引き出すと違法ですが、広告という形で渡すならば合法です。スマートフォンは、商品になった“あなた”につけられたタグです。スキャンすれば個人情報を読み取ることができるわけです。無料のインターネットサービスの中でもこの傾向が顕著なのが、ソーシャルネットワークであり、その力を強化しているのがスマートフォンです〜(中略)〜農作物に水や肥料をやるように、家畜に餌をやるように、ソーシャルネットワーク各社は、利用者を動機付けし、より多く深い情報を収集あるいは登録させようと試みます
最近、TwitterやFacebookの利用を始めたばかりの人が増えていると感じる。特に、大学生や若い社会人のユーザーにおいて、気軽に個人情報を投稿する向きが多いことが気にかかる。また、彼らがちょっとした悪ふざけのつもりで投稿した中身が、“炎上”するケースも増えているのではないか。
インターネットの特製、SNSの特徴、または悪意を理解する意味でも、本書は恰好のテキストだ。
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