コラム
なぜ、日本でiPhoneは売れるのか。:神尾寿の時事日想(5/5 ページ)
この秋に新モデル登場と噂されるiPhone。2007年に初代が発売されて以来、iPhoneはスマートフォン市場のけん引役であり続けた。よりハイスペックなAndroid端末も登場する中、iPhoneが売れ続けているのはなぜか? 改めて考えてみよう。
年末商戦と来春商戦は、iPhoneを軸に市場が動く
北米など海外市場では「iPhoneの勢いが落ちてきた」という声もあるが、ここまで述べたとおり、日本市場ではiPhoneが「売れる雰囲気」と「売れる仕組み」が確立されている。特に同調圧力的な日本での売れ方は他国市場と比較してもユニークなものであり、それゆえに強力なものでもある。筆者は当面の間、iPhoneの失速は起きないと予測している。
その上で、今秋の投入が予想される「新型iPhone」は、日本での販売開始直後から、かつてない規模と勢いで爆発的に売れると、筆者は断言しておく。スマートフォン関連ビジネス全体への影響もこれまでにないものになるだろう。iOS 7と新型iPhone、そしてiPhoneを取り巻く周辺環境そのもの。これらすべての歯車が噛みあってくるのが、今回の新型iPhoneのタイミングであると考えるからだ。そのため今年の年末商戦と来年の春商戦は、間違いなく"iPhoneを中心に日本のスマートフォン市場が動く"ことになる。
ここから先のAppleとiPhoneの動きには、注目しておいて損はない。
関連記事
- 神尾寿の時事日想:Xperiaの半分しか売れなかったGALAXY――ツートップの差はなぜ開いたのか?
2013年の夏モデルから販売方針を大きく転換、ソニーとサムスンを「ツートップ」として特別扱いしたNTTドコモ。結果、Xperia AはGALAXY S4の2倍売れ、iPhoneに迫る勢いだ。差が付いた理由、そして次期「一推し」を予想する。 - 神尾寿の時事日想:iPhone導入の布石か?――ドコモ「ツートップ戦略」の効能と課題
最新の2013年の夏モデルから販売方針を大きく転換したNTTドコモ。すべてのモデルを公平に、“護送船団”形式で売ってきた同社が初めて、ソニー・サムスンの2社を特別扱いしている。その先に見えるのは2年以内の「ドコモ版iPhone」ではないかと筆者は指摘する。 - 神尾寿の時事日想:ケータイメールは死ぬのか
かつて「メアド教えて」と言われたら、教えるのはiモードに代表されるケータイメールだった。しかし今や携帯電話メッセージの主役はLINEに取って代わられている。2013年の1月、ある象徴的な出来事があったのだ。 - iPhoneアクセサリー市場はアプリ市場より成長する!? AppBank Storeが東急プラザ表参道原宿にオープン
iPhone/iPadユーザーの裾野が拡大するにつれ、アプリケーションよりもアクセサリーにお金を使う層が増えているという。リアル店舗を展開することで、こうした新しいユーザーのニーズに応えるAppBank Storeにアクセサリー市場の今を聞いた。 - 誰でも簡単! LTE対応スマホ初心者の料金節約術:第1回 これからLTEスマホに機種変更する人のための節約術
スマホに機種変更してから「ケータイ代が高くなった」という声を耳にしたことはありませんか。とくにLTE対応のスマートフォンは料金プランの選択肢が少なく、プラン選びだけで節約するのは難しい状況です。この連載では「スマホの料金が高くなる理由」、そして「どう安く使うか」をテーマに、誰でも簡単にできる節約の方法を紹介します。 - 神尾寿の時事日想・バックナンバー
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.