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「上野東京ライン」成功のカギは、品川駅が握っている杉山淳一の時事日想(5/5 ページ)

JR東日本は上野駅と東京駅を結ぶ4つ目の路線を「上野東京ライン」として2015年3月に開業する。従来上野駅止まりだった東北本線(宇都宮線)、高崎線、常磐線の列車が東海道本線と直通する。ただし、この計画で重要な駅は上野駅や東京駅ではなく、品川駅だ。

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 宇都宮線・高崎線方面と常磐線列車の品川折り返しには、東京駅の煩雑さ解消以上のメリットがある。品川駅が前述の大規模再開発用地の南端であり、列車に対する一層の旅客需要が見込める。また、品川駅はリニア中央新幹線の接続駅となっている。リニアや東海道新幹線に接続できなかった常磐線特急にとって、品川発着は魅力的だ。これだとJR東海に花を持たせる形になるが、品川駅で特急踊り子と同一ホームで乗り換え可能とすれば、伊豆方面に向かう東京―熱海間の「こだま」の客を奪えるかもしれない。

 宇都宮線・高崎線方面と常磐線の利用者にとっては、品川から京急に乗り換えて羽田空港へ行けるメリットも見逃せない。もっとも、これはJR東日本にとっては歓迎できないだろう。浜松町と羽田空港を結ぶ東京モノレールはJR東日本グループだ。京急に客を運ぶために「上野東京ライン」をつくったわけじゃない、が本音のはずだ。その現れだろうか、JR東日本が羽田空港敷地内を通過して田町駅付近に至る貨物用線路を再利用して空港連絡路線を作ると報じられた(参照リンク)。この路線が「上野東京ライン」に乗り入れたらかなり便利だし、横須賀線・総武線へ乗り入れるか、品川駅に北側から接続すれば湘南新宿ラインとも連携できる。「上野東京ライン」の開業が決まったところで、今後はダイヤ編成と新たな空港連絡路線に注目だ。



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