事務職は何をモチベーションにして仕事をしたらいいのでしょうか:プロフェッショナルサラリーマン――実践Q&A編(2/3 ページ)
「上司や部下の考えていることが分からない」「サラリーマンって、なんて理不尽なんだ」――そんな悩みをもつ人も多いのでは。本連載は、サラリーマンの悩みに触れることで、会社の中で生き抜くヒントを紹介しています。
また僕が社内ベンチャーでアウトレットの流通を創業したころ、先輩の社員にエクセルをベースにした在庫管理と棚卸のシステムを組んでもらったことがあります。日常業務で必要な細かい要求に合わせていくつものバージョンアップを積み重ねてもらった優れたもので、商品管理を一変させることができました。おかげでそのシステムは、どこかの会社がお金を出して買ってもおかしくないものになりました。
間接部門にとって、「これ、外に売れるよ」というのは最高のほめ言葉です。
自分の仕事の評価者を他部門の人に設定するから評価されずに苦しくなるのであって、マーケットに設定すれば、ほかの部門に何を言われようと、「あんたたち、分かってないわね」と冷静に受け止められるのではないでしょうか。
もしくは仮に転職することになっても、「私はこの会社でこういうシステムをつくりました」と言えれば、これ以上の武器はない。その点をモチベーションにするのも、1つの手だと思います。
でも、仮に外に売れるくらいすごいシステムをつくったからといって、急に給料が倍になるわけでもないのがサラリーマンというものです。そのときは何をモチベーションとすればいいか。
それは、今より大きな仕事をもらうことだと思います。
自分のつくったシステムは、後輩に任せても回っていくようになった。そこで自分は今より一回り難しい仕事、ワンランク上の仕事を任されることを目指すようにしてはどうでしょうか。プロフェッショナルサラリーマンにとって、仕事の報酬は今より大きな仕事なのです。
今はあなたに任せられそうな適当な案件が上司の引き出しにないとしても、新しい案件は必ずや時代とともに出てきます。
これからは会社間の吸収合併などで、間接部門においても他部門との統廃合などが起きることが多い。そうなれば必ずひずみが生じます。
そのとき「これ、誰にやらせようか」という仕事が生まれる。そのときがチャンスです。こんなふうに考えれば、どんな職種でもモチベーションを失うことはないはずです。
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