民間調査機関の労務行政研究所は1月23日、「2014年賃上げ見通し」を発表した。労使の当事者と経済分野の専門家に、東証1部・2部上場クラスの企業の見通しを聞いたところ、平均で6413円増(定期昇給分を含む)であることが分かった。
労使別でみると、労働側は6653円に対し、経営側は6080円。「ここ数年、労働側と経営側の平均値は近い水準で推移していた。景気や企業業績が回復基調にあり、政府の賃上げ要請などもあって社会的にも賃上げムードが見られる中、2014年は労使の見通しにやや開きが生じる結果となった」(労務行政研究所)
定期昇給については、労働側で87.4%、経営側で90.1%が「実施すべき(実施する予定)」と回答。経営側の「実施しない予定」は0.6%にとどまった。
定期昇給についてはほとんどの企業が実施する予定だが、ベアについては経営側の53.4%が「実施しない予定」と回答。「実施する予定」は16.1%だった。ベア実施には慎重な姿勢が依然として多いものの、その割合は昨年の75.5%に比べると、20ポイント以上も減少した。
一方、労働側でベアを「実施すべき」と答えたのは66.7%。2009年以降5年ぶりに「実施すべきではない」を上回った。「2010年以降、先行き不透明な経営環境から、労使ともベアの実施には否定的な傾向が続いてきた。しかし労働側は一転、実施派が主流となった。ベア実施に慎重な姿勢に変わりはない経営側も、昨年に比べると『実施する予定』は10ポイントほど増加している」(同)
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