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「秋葉原に負けない聖地に」――JR高架下に「阿佐ヶ谷アニメストリート」が生まれるワケ物販ではなく、体験を重視(2/4 ページ)

2014年3月29日にオープンする「阿佐ヶ谷アニメストリート」。なぜ阿佐ヶ谷にアニメをテーマにした商店街を作るのだろうか。2人のキーパーソンに聞いた。

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アニメ業界のあり方に一石を投じる存在になれるか?

鴨志田由貴
鴨志田由貴氏/作戦本部株式会社 代表取締役作戦本部長。大手企業との商品開発、営業戦略立案、新商品プロモーション、店舗開発、中国でのカフェプロデュース、行政とのイベント企画・実施・運営などを手がけるビジネスプロデューサー

 なるほど、志は理解できる。だが、「言うは易く行なうは難し」ではないのか。各テナントは賃料を支払って入居するわけだから、手堅く収益に結びつく物販に力を入れたいと思うのが一般的だ。

 「確かに、集客数を重視し、物販中心の事業計画を練っているテナントもあるでしょう。でも、基本的には商店街のコンセプトはしっかりと理解したうえで入居していると思う」(鴨志田氏)

 「プロフェッショナル、アマチュアを問わずアニメにかかわる人が集い、プロとアマ、アマとアマ、プロとプロといった、横のつながりを作れる場所に育てたい」(橘川氏)

 具体的な計画はこれからだが、例えば「アニメのショートフィルム文化を育てたい」(鴨志田氏)という。現在のアニメ業界は、大手の発注者とその下請けとなる受注者という縦の関係に終始しており、現場レベルにまで「労働に見合うだけの報酬が下りているとはいえない」(橘川氏)と感じるためだ。

 アニメ好きなら誰もが名前を知っているある有名監督ですら「年収は1000万円程度」(橘川氏)だといい、アニメがヒットして大きな利益を得るのは、制作委員会に参加している出資者に限られるという。

 もちろん、出資者は金銭的なリスクを負っているので成功時のリターンが大きくて当たり前という考え方もあるが、「クラウドファンディングの仕組みを利用するなど、インディの作品にもお金が回る、しっかりとした収益モデルを構築し、制作委員会方式ではない新しいスキームを模索したい」(鴨志田氏)そうだ。

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