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就活・転職のフシギがきっと永遠になくならない、いくつかの理由サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」・最終回(3/4 ページ)

本連載が始まって1年半。「就活・転職のフシギ」について、毎週コラムをお届けしてきましたが、就活のフシギや転職のフシギはまだまだ世間にあふれています。まるでなくなる気配がない、その理由は……?

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使えない人を作り出してしまう組織が、転職を難しくする可能性

 かつては、大して仕事ができない人でも、企業は抱え込んでおく余裕がありました。あの人は毎日出勤してくるし、勤務態度は真面目。でも、仕事はさせられない(できないから)。でも辞めさせられないので、仕方なくあそこに……というポジションがあったのです。そう、「窓際社員」というポジションです。

 しかし、窓際というポジションを作る余裕がなくなってきた企業は、まずは窓際にいた人を組織の外にリリースしてしまい、次に、おそらく以前だったら窓際に座ることになるであろう“予備軍”たちを、早めに放り出す準備を始めます。

 この話の恐ろしいところは、日々の仕事を真面目にこなしていても、その結果として多くの企業から求められるビジネスの能力が身に付いているとは限らないということです。どうしてそうなるのか、その責任はどこにあるのか、という議論は難しいところですが、結果として企業は上述のように、「外に出す」という選択をするのです。

 さらに、組織の中に入ってしまうと、自分の能力について、客観的に判断すること(=適切な市場価値の見極めと言うほうが、より正しいかもしれません)は難しくなります。ただ、その問題自体を個人で気がつくというのは、簡単なようでいてとても難しい。さらに、対策を立てようとしても、どこから手をつければいいのか、という状態になる。

 今の状態を根本的に解決する方法を考えない限りは「真面目に働いてきたのに、どうしてこんなことになってしまったのだろう」と首をひねってしまう転職者は今後も増産され続け、そしてその界隈であふれかえるフシギもまた、やはりなくなることはないのです。


あなたは自分の能力や市場価値について客観的に判断することができますか?(写真はイメージです)

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