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ゾッとするGW渋滞──え? カーシェアリングで「鉄道の旅」が変わる?:杉山淳一の時事日想(1/4 ページ)
大型連休と言えば高速道路の渋滞が付きもの。列車の指定席のほうが快適だろうと思う。ただしクルマの便利さも捨てがたい。その折衷案となる“駅からレンタカー”のほか、日本で展開する全国ネットの「カーシェアリングサービス」にも注目したい。これは鉄道旅行のスタイルを大きく変えそうだ。
「カーシェアリングシステム」という、ユーザーのグループでクルマを購入し、共有する仕組みがある。利用する際に予約が必要だったり、使いたい時間帯に他の人が使っていたりと、クルマの所有に比べると制約はある。しかし、クルマの維持に関する費用を負担せずに済むので経済的だ。
私はカーシェアリングについて「地域でクルマを共有する仕組み」と思っていた。日本の大都市では駐車場所がない住宅も多いし、駐車場台数が少ないアパートやマンションの住民にクルマの利用機会を提供できる。ところが実際には、日本では「レンタカー型カーシェアリング」として全国ネットのカーシェアリングサービスがいくつか実施されている。カーシェアリング会社が所有するクルマを、会員が時間単位で借りられる仕組みだ。これは人々のクルマ生活だけではなく、「旅のスタイル」も変える可能性がある。とくに鉄道旅行とカーシェアリングの相性はよさそうだ。
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