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都市部への出店、カニバリ……丸亀製麺が抱える問題、どうするのか?:社長が語る(2/2 ページ)
丸亀製麺で讃岐うどんを食べたことがある人も多いだろう。地方のロードサイドを中心に出店してきたが、今後は都市部も検討しているという。しかし、ネックになるのが……。
人材不足ではない。しかし東京では
――飲食業界の多くは人手不足に悩まされていますが、丸亀製麺ではどうでしょうか?
粟田: 他社が抱えているほど、大きな問題にはぶつかっていない。時給も少し上昇しているが、他社ほどではない。なぜなら、丸亀製麺は地方を中心に展開しているから。また、スタッフは若年層に依存していなくて、中高年……特に主婦の方に活躍していただいている。なので、いまのところ人材確保の面で大きな問題は起きていない。
ただ、都市部のお店は違う。時給を高く設定しても、なかなか人が集まらない。人件費が増えることも問題だが、採用コストの増加も問題になっている。東京は2020年にオリンピックが開催されるので、それまで家賃や人件費の問題が続くだろう。「いますぐ都市部に出店……」ではなくて、様子をうかがいながら攻めていきたい。
――今後、会社を成長させていくために、どのような展開を考えられていますか?
粟田: 讃岐うどんで培った「粉」という強みを生かして、天ぷら専門店の「天ぷら定食まきの」や、パンケーキがウリの「コナズ珈琲」などを展開している。
また、丸亀製麺については、海外にも積極的に進出している。どこに出せば、どのように売れていくのか――。いまは模索中だ。広く・浅くという方針で、現在10カ国で60店舗以上を運営している。中期計画では、2015年3月期までに200店舗にする予定だ。
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