皆が出世できないと分かっている、そんな時代のマネジメントとは：サカタカツミ「新しい会社のオキテ」（3/3 ページ）

かつて多くの日本企業では、年功序列というシステムがとても強固だったと言われていました。それは本当でしょうか？　そもそもなぜ「同期が同じスピードで出世し、定年で退職する」という仕組みができたのでしょう？

[サカタカツミ，Business Media 誠]

個人の価値観をもっと認める努力を、企業はするべきかもしれない

　個人の働く理由が、かつてのように「働かなければ食べていけない」とか「学校を出たら働くのが当然だ」というものだけではなく、さまざまな理由に多様化している時代。企業も、その多様化している価値観を、キチンと受け入れる必要があるのではないでしょうか。努力はしているようですが、まだまだ不十分です。マネジメントも難しくなりますから、二の足を踏む気持ちは十分理解できますが。

　組織が疲弊する理由の多くは、理不尽なマネジメントが作り出しています。強固だと思われている年功序列という仕組みでさえ、時代に合わせて新陳代謝をさせてきたものなのですから、「働く＝出世」という価値観以外も、明確に認める必要があるでしょう。逆に、出世したければ学歴性別年齢は関係ない、という姿勢も打ち出せば、多くの人が救われるのにと、思わずにはいられないのです。