ニュース
和食と一緒に楽しめるビール「和膳」が売れている:増税後でも(2/2 ページ)
4月のビール系飲料の出荷量をみると、前年同月比で大幅に落ち込んだ。理由は、消費増税後の「買い控え」。そんな厳しい状況の中でも、健闘した商品がある。それは、サントリーが発売した「和膳」だ。
和膳に合う料理
スーパーなどでビール売り場をのぞいてみると、ほとんどの商品が「値引き」をしている。また、「糖質」や「カロリー」の数字をアピールする銘柄が増えてきた。このように、ビールは「価格競争」と「機能競争」を繰り広げているわけだが、和膳はどのような付加価値をアピールしているのだろうか。ブランドマネージャーの野口裕貴氏に聞いたところ「『和食に合うビール』を伝えるために、売り場づくりからチカラを入れました。例えば、スーパーの惣菜売り場や鮮魚コーナーなどの近くに、和膳を置いてもらいました」
ところで「和食」と聞いて、どんな食事なのかな? と疑問を感じている人もいるのでは。いろいろな料理があるので、イメージがわかないかもしれないが、こうした人に対し、野口氏は「『この組み合わせは合うかな?』と考えながら、自分にピッタリ合うものを探してみるのはいかがでしょうか」と提案する。
商品開発を担当した藤村氏は「素材の味を生かすので、旬のモノと一緒に楽しむのはいかがでしょうか? 春は、たけのこや山菜などとの相性がよかったですよ」とのこと。
これまで和食・洋食・中華……どんな料理が出てきてもビールの銘柄は気にせずに飲んでいた人が多いだろう。しかし、和膳の登場で「食事に合わせてビールを選ぶ」という新しい楽しみ方が広がりそうだ。
関連記事
- 最高醸造責任者に聞く、ギネスビールの“正しい”飲み方
アイルランドで生まれたギネスビールを飲んだことがないという人も多いのでは。そもそもギネスビールは他のビールのように、グラスに注いですぐに飲んでいけない。そこでギネスビールの最高醸造責任者に、“正しい”飲み方を教えてもらった。 - “不毛地帯”の日本で、なぜ黒ビールが売れたのか
「ビールは好きだけど、黒ビールは苦手」という人も多いのでは。しかし2012年は「黒ビール元年」と言っていいほど、売れに売れた。黒ビールの“不毛地帯”とも言える日本で、なぜ消費者に支持されたのか。アサヒビールのマーケティング担当者に話を聞いた。 - 喫茶室ルノアールにあって、スターバックスにないもの
東京に住んでいる人であれば、誰もが目にしたことがある喫茶室「ルノアール」。スタバなどの欧米スタイルのカフェに押され、「残念な喫茶店」になっているかと思いきや、業績はまずまず。決しておしゃれではない「ルノアール」は、なぜお客から支持されているのだろうか? - コンビニコーヒーの味に違いはあるの? 科学的に分析した
外出先で「ちょっとコーヒーを」と思って、カフェチェーンに立ち寄る人も多いのでは。ファストフードやコンビニでも気軽にコーヒーを飲むことができるようになったが、その味に違いはあるのか。味を分析できる機械を使って調べたところ、意外な事実が……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.