レシートは支払い証拠になる? 領収書とレシートの違い:マネーの達人(2/2 ページ)
「領収書ではなく、レシートでは支払った証拠として税務署に認められないのだろうか?」 事業主にとって、一度は気にしたことがあるはず。今回は、領収書とレシートの違いについてお話しします。
2. 領収書とレシートの比較
では、上記の「3W2H」に照らして、領収書とレシートを比較してみます。
イ (誰から買ったか?/Who)
→ 通常、領収書にもレシートにも書いてあるので、どちらでもOKです。
ロ (いつ買ったか?/When)
→ 通常、領収書にもレシートにも書いてあるので、どちらでもOKです
ハ (何を買ったか?/What)
→ 領収書には“品代”としか書いておらず何を買ったか分からないこともあります。これに対して、レシートには通常商品名が入っています。そういう意味ではレシートの方が格上です。もし“品代”しか書いていない領収書をもらったときは、レシートと一緒にホチキスで止めておきましょう。
ニ (いくらで買ったか?/How match)
→ 通常、領収書にもレシートにも書いてあるので、どちらでもOKです。
ホ (自分の名前/Himself)
→ 通常、領収書には書いてもらえるので、OKです。一方、レシートには通常書かれていませんが、当該レシートを保存している人が払った人と想定されるため、問題とされるケースは少ないです。
3. 結論
結果、領収書でもレシートでも、どちらでも良いということです。
「領収書は絶対必要不可欠なものである」という認識は、間違いです。とにかく、3W2Hを満たしている書類であれば、支払った証拠として認めてもらえることが分かります。領収書の出ない交通費や結婚式の祝儀などについては、内部の支払い記録や招待状などに祝儀の金額をメモしたものでも、3W2Hを満たす限り代用できます。
ただし、レシートの印字が薄いものは長期間保存しておくと印字が見えなくなる場合がありますので、不安がある場合には領収書を保存しておきましょう。(植田有祐)
著者プロフィール:
植田有祐
同志社大学経済学部卒業。2008年に公認会計士試験に合格。監査法人での勤務、予備校の講師、関西大学会計専門職大学院の非常勤講師も務めながら、会計知識の取得や会計資格の合格を目指す方のための個別指導サービスや、企業や大学等でのセミナーの実施を行う、公認会計士又は税理士によるプロ講師集団「会計MVP」の代表講師を務める。「会計や税務を、もっと身近に、もっと分かりやすく」をモットーに、公認会計士・税理士事務所MVPとしても活動中。
保有資格:公認会計士、日商簿記検定1級
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