「綾鷹」担当者に聞く、ペットボトル緑茶のラインアップ戦略:「8年かかった新商品」の理由(1/3 ページ)
最近ペットボトル緑茶の市場が拡大しているという。新商品が多数登場したことが原因というが、ライバルの多い市場で生き残るコツはあるのか。発売8年目にして新しいレギュラー商品「綾鷹まろやか仕立て」を投入した、「綾鷹」のマーケティング担当者に聞いた。
出先の打ち合わせが終わり、コンビニでお茶を買ってほっと一息。外出先でも、社内でも、家でも――日常でペットボトルのお茶を飲むシーンは増えているが、あなたはどういう基準でお茶を選んでいるだろうか。飲料メーカー各社はそれぞれブランドを出しているし、同じブランドでも異なる味を出していたりする。
売れるお茶、売れないお茶の違いはどこで出るのか。売れ筋のお茶は変わっているのか……今回は、新シリーズ「綾鷹まろやか仕立て」を投入した「綾鷹」のラインアップ戦略に注目してみよう。日本コカ・コーラ マーケティング本部 緑茶グループの宗方亮氏に話を聞いた。
新ラインアップまでに約8年、一体なぜ?
編集部池田: 先日「綾鷹」の新ラインアップ「綾鷹まろやか仕立て」が発売になりましたね。「綾鷹」と飲み比べてみたのですが、「綾鷹」は確かに急須で入れたお茶のような、深みのある味を感じた一方で、「綾鷹まろやか仕立て」は「綾鷹」のような深みのある味わいとともに、後味がすっきりしていると感じました。
「綾鷹」が世に出たのは2007年ですよね。“8年かかった新商品”ということをCMでも強調していますが、逆にどうして8年かかったのでしょう。
宗方: そうですね。今回初めて、この「綾鷹まろやか仕立て」をレギュラーのラインアップに追加しました。ベースとなる商品がしっかりしていないと、ラインアップを増やしても共倒れになってしまうことが今までの経験から分かっていたので、まずは「綾鷹」のブランドを確立させることを優先して進めたのです。
池田: ブランドって2〜3年も売り続ければ確立するものだとイメージしていたので意外です。ちなみに「ブランドが確立した」というのは、何を基準に判断するんですかね。売り上げでしょうか?
宗方: 売り上げは重視する点ですね。現在「綾鷹」は、社内の緑茶カテゴリーで最も売れた製品となっています。全商品の中でも4番目の売り上げです。発売から累計で10億ドル売ったという「ビリオンダラーブランド」にも認定されました。こうした状況から、会社の基幹ブランドになったと判断したんです。
関連記事
- なぜ「綾鷹」が売れているのか? ヒットの秘密を探る
日本コカ・コーラが販売している「綾鷹」が売れている。緑茶市場におけるシェアは32カ月連続で増加、販売数も39カ月連続で成長している。なぜ「綾鷹」がこれほどまでに売れているのか。その理由を、同社のマーケティング担当者に聞いた。 - 市販ペットボトル飲料水のうち、約半数は「ただ」の水道水
米国の消費者団体が調査したところによると、市販しているペットボトル飲料水のうち、約半数のブランドが水道水だという。ペットボトル飲料水を購入するのはカネの無駄か――そんな議論が世界各国で巻き起こっている。 - 「ごはんに合う」を訴求するお茶のCMが増えているのはなぜ?
最近、ごはんやおにぎりに合うことをPRするお茶のCMが増えていると感じたことはないだろうか? 緑茶だけでなく、紅茶やマテ茶といったお茶までこのような売り方をする、そのわけは……。 - 世界でもっとも多くお茶を飲む国はどこ?
旅行クチコミサイト「TripAdvisor」は、トリップグラフィックス「世界のお茶消費量 TOP25」を発表した。日本は17位、中国は25位だった。 - お茶Bar――お茶屋さんの店頭で、自分でお茶入れて、水筒に入れて
象印マホービンと全茶連が日本茶の新しいライフスタイルを提案する「ロック DE お茶」キャンペーン。節電の夏は、日本茶専門店にマイボトルを持参して、自分でお茶を入れてみよう。 - よく飲んでいるペットボトルのお茶は?
よく飲んでいるペットボトルのお茶系飲料は何ですか? 直近1年間で最もよく飲むお茶系飲料を聞いたところ「お〜いお茶(伊藤園)」と答えた人が最も多かった。マイボイスコム調べ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.